時代を見る眼 病とともに生きる 〈1〉 新たな冒険の始まり

 

神学者/作家 ウォルター・ワンゲリン

2005年12月26日、夜のパーティの準備のため、孫のカシンドラと一緒に買い物をしていた時のこと。首のまわりを触ったとき、左鎖骨の上に大きなしこりがあることに気づいた。「ちょっとこれは異常なほど大きい。」

ちょうど夜のパーティのために4人の子どもたち、孫たちが家に集まっていた。妻のサンにも触ってもらったところ、すぐにかかりつけのギンゲリッチ医師に連絡をしてくれた。病院でレントゲン、CTスキャンをし、結果を待つことになった。

翌日の火曜日、検査結果を聞きに行くと、ギンゲリッチ医師から「ちょっと怪しいね。胸にも2つの塊がある。リンパ腫だね」と告げられた。

孫たちを送り、4人の子どもたちだけが残った水曜日の夕食後、子どもたちに語った。

「癌のようだ。首の下、左肺、また胸骨の下、肺にわたり癌があるそうだ。でも父さんは怖くないよ。いつもこう考えているんだ。人生でやってくるものは、一つひとつが冒険だとね。そうだよ。

今まで体験しなかったことが体験できるのだよ。アフリカ、日本に旅をするようなものだ。ただ違いは、これからの冒険の終着点は、この地上から離れていくということだよ」と。

私は本当にそう思っていた。妻のサンは、子どもたちがこの事実をどう受け取るのかを見ていた。子どもたちはみな、うつむいていた。これからの冒険の終わりについて悟ったようだった。

*      *      *

癌発見から4日目、私たちは癌専門医のクーパー氏、抗癌剤治療師のクレイン氏と会った。リンパ腫から始まった転移性の癌と診断され、抗がん剤治療をすることとなった。

発見から今まで、妻のサンには大変な日々であった。私の癌とは比べものにならないくらい大きな負担であることはわかっていた。私が突然「冒険」という旅に出るのだから。

一方で私は平安だった。本当に平安だったのだ。素晴らしいコミュニティがある。家族もいる。また、それ以上に神にある信仰により、御国を待ち続ける冒険の旅に出るのである。

私たちはまず、この世のものではない。救い主により真の平和をいただいた者である。そしていつも周りには救い主に愛された者がおり、希望があり、愛がある。私はその「冒険」の旅に出るのである。どのくらいの長さの旅となるのだろうか。それは神のみご存じなのだ。