時代を見る眼 282 新しい季節をどう生きるべきか [3] 永遠の国に属する者として

新しい年になっても世の中にいいニュースはほとんどなく、昨年の問題は今年に引き継がれ、政治や経済、そして教育さえも社会をいい方向に変えることはできないと思い知らされます。世界は小民族から大国に至るまで、統合し共存する難しさを経験し、ますます分断されていく方向に向かっているように見えます。神はこの中でも働いておられるのでしょうか。
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ルカの福音書3章には、その当時のローマ帝国で権力を握っていた皇帝や総督、国主や大祭司の名前が7人、連なって出てきます。世の中を政治的にも宗教的にも動かし、統治していたのはこのトップセブンのはずなのですが、彼らを無視するかのように神のことばは彼らを素通りし、権力の拠点から遠く離れた、荒野にいる、一見粗暴で教養のなさそうなバプテスマのヨハネに下ります。ヨハネがいただいた言葉は神が新しい国を起こされるので、その備えをするように、という内容でした。さかのぼること600年前、神はこの国について、ダニエルを通してすでに明らかにされています。
「この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国はほかの民に渡されず、反対にこれらの国々をことごとく打ち砕いて、滅ぼし尽くします。しかし、この国は永遠に続きます」(ダニエル2・44)
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ローマ帝国で世界を動かしていると思い込んでいた権力者は、神が新しい国を起こされたことなど知る由もありません。現在の世界の権力者たちもそうでしょう。彼らは自由に動かせるコマのような存在ではあっても、神は彼らを通して世の中を変えられるのではないのです。神はダニエルの時代も、ヨハネの時代もそして現在も、この世が理解できない次元で変わることなく働いておられます。そして私たちはこの神が起こされた国に属する者です。この世で働き、子どもを育て、税金を納めますが、この世には属さず、永遠の国に属する者なのです。このように捉えるとき、私たちはこの世のどの季節にも惑わされる必要はありません。
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「あなたがたは心を騒がせてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。……そうでなかったら、あなたがたのために場所を用意しに行く、と言ったでしょうか」(ヨハネ14・1、2)