CD Review ◆ CD評 『愛するきみへ』

CD「愛するきみへ」
高森美和
ゴスペルシンガー
クワイアディレクター

Make a Joiful Noise! 喜び歌え!

 「That’s my sisters!!(これぞ、私の姉妹たち!!)」、そう大声でCDを手にして紹介したい! 結成当時からよく知っているSisters in Christ(キリストにある姉妹たち)、Joyful Noise Singers、通称“ジョイノイ”のファーストアルバムだ。

 近年、日本語や日本人によるゴスペル・クワイアや、ソロのCDはよく手にすることができるが、今回のジョイノイのような、女性四人のシンガーズによるゴスペルCDは世間一般でも新しい。「神を賛美する」という、本来の音楽の目的を持ったアーティストがどんどん増える中、さらなる日本での福音の広がりを期待する。

 ジョイノイのコーラスワークの完成度の高さは、音楽学校であらゆるジャンルの音楽や音楽理論などを学んだからだけではない。出会ってから十四年、クリスチャンになる前から一緒に歌い、ゴスペルを通して救われ、涙も喜びも共にし、信仰を支えあってきた一体性があるからだろう。共に主を仰ぎ見て賛美する彼女たちの歌声は、まるでひとりの人が歌っているかのようにも聞こえる。

 耳に自然に入る曲には、長年音楽活動をしてきている、ピアノコウジ(これまた、That’s my Big brother!)の音楽性の豊かさが現れている。彼の作る曲はいつもバラエティーに富んでいるが、詩は、みことばをそのまま織り込んだものや、聖書の言葉を土台としたシンプルなメッセージだ。「This Day」は、有名な曲「Oh Happy Day」の作者エドウィン・ホーキンズの曲を日本語に訳したもので、原曲に近いアレンジがされている。ここにピアノコウジが影響を受けてきた先駆者たちへのリスペクトが見られる。

 また、脇を固めるバンド、トム&ケンタ(Yes! That’s my brothers!!)はジョイノイと同じ学校の同期で長年の付き合い。

 音楽だけではない、主にある家族が共に生きてきた証し。贖われ救われた者たちが奏でる賛美のCDだ。