踊るクリスチャン 第4回 精一杯の子育て

踊るクリスチャン
清水好子
単立・入間聖書バプテスト教会牧師夫人

 長女が一歳十一か月の時、下の子が生まれて赤ちゃん返りをした。赤ちゃんのおっぱいの時間になると、必ずたくさんの用事を作ってくれる。「私もダッコ」といっては膝に乗り、「私もおっぱい欲しい」といっては泣き、「ママ、おしっこ」と呼ぶ。赤ちゃんを寝かせつけようとすると、「一緒に遊んで」「お腹がすいた」とぐずる。これが噂に聞く赤ちゃん返り。泣きたいのはこっちだ。育児なんか投げ出したくなる。角もたくさん出る。子どもが好きだと思っていたのは気のせいだったのか……。

 私が勤務していた保育園の園長先生に相談すると、「お姉ちゃんでしょ!」は絶対に言わない代わりに、少しでも何かできた時には「お姉ちゃんだからできるのね。偉いわねー」と誉めるように、とのこと。「乳幼児期の親子関係はとても大切よ。わがままとは違う愛情欲求(特にスキンシップ)はできるだけ満たしてあげなさい。できる限り心をかけなさい」と教えてくれた。

 それ以来、私たち夫婦はその言葉を実践している。子どもが小さい時は我が家の車には、パパお手製の野球のベース、ゴムの野球ボールとプラスチックのバット、サッカーボール、バドミントンがいつも積んであった。どこかへ出かけた時、必ず近くに公園がないか探しておく。用事が済むと、家族でスポーツ大会の始まりだ。

 私たちはスポーツをすると人が変わる。みんなが本気になって、サッカーがアメリカンフットボールになる。親対子どもの二チームに分かれた時には、手加減なしに「引き分け」と思わせるのにも神経を使った。手加減したことがバレたら、野球でもサッカーでもやり直しだ。薄暗くなった公園で、私たち家族だけの元気な声が響く。

 スポーツだけではなく抱っこやおんぶ、添い寝、お風呂の時など、スキンシップも大切にして、できる限り子どもとの時間を作った。「こんなに手塩にかけて育てて、もしティーンエイジャーになって子どもがぐれたら、親がぐれてやる」と主人。

 でも、園長先生は安心できる言葉を残してくれた。「育児に成功はない。あるのは失敗ばかり。でも、子どものために精一杯やったのだと思えたら、その失敗は許されると思う」と。