ブック・レビュー 人はかならず、やり直せる


安田 眞
日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団 川口神召キリスト教会牧師

この本は、一章―六章の短い文章で、簡潔に綴られた逆転人生を歩みたいと願う人々の教科書、手引書ともいえる本です。『人はかならず、やり直せる』という著書の最初の印象が強烈に残っているまま、本書を読み始めました。著者や著者のもとを頼ってきた方々のさまざまな体験から、神様に示された逆転人生を歩む秘訣が記されています。
人はそれぞれ違うようですが、神様の目から見るならば「あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」と語られた預言者の言葉の真実が伝わってきます。
第一章で、著者の人生にも、人生を逆転させるチャンスがあったことが記されています。そのチャンスをしっかりと掴み取ったときに、人生が逆転するのです。それはまた、神様に捕らえられたときでもあります。
私は子どもの頃、誰もいない凍りついたプールに落ちてしまったことがありました。氷が割れ、もがけばもがくほど氷の下に入り込み、浮き上がれませんでした。そのときに、一人の人の手が私の手を掴み、プールサイドに引き上げてくれました。今でもその人が誰なのか知りません。第二章で、神様は多くの人々を助け手として備えられていることが語られています。私は誰に助けられたかわかりませんでしたが、神様は確かに助け手を備えておられます。
奥様の由美姉妹も「妻から見た伝道者」の項で、自分の人生の恥部を曝け出して語っておられます。神はアブラハムに、「神の前に全き者であれ」と語られました。第六章の冒頭に、「負けることも、できないことも、挫折することも恥じゃない。立ち上がろうとしないことが恥だ」と語られていますが、「全き者」とは、完全な、清く、正しい者のことではありません。「全き者」とは、神様の前に「丸裸な者、隠すものがなにもない者」のことです。
進藤先生をはじめ、この著書に紹介されている方々は、神様の前に赤裸々に自分を曝け出した兄弟たちです。進藤先生の「本気の人に本気で付き合う」姿を最後まで読み進み、神様も本気で逆転人生を求める人を求めておられることを知らされるのです。