ブック・レビュー 『デイリーブレッド』わたしとみんなのデボーション

『デイリーブレッド』わたしとみんなのデボーション
中谷美津雄
日本同盟基督教団・理事長/同教団・生駒めぐみ教会牧師

世界中の一千万以上の人たちに愛用されているデボーション日課

 「デイリーブレッド」と言えば、一九五六年にアメリカで発行されて以来、世界中で一千万以上の人たちに愛用されているデボーション日課です。十年前に邦訳、定期刊行されるようになったものの中から三百六十六日分が選ばれて、このたび一冊の本になりました。

 巻頭に東京基督教大学学長倉沢正則氏による「推薦のことば」があり、この書の特徴がよくまとめられています。

 デボーションのために開くのは一日一頁です。大文字で簡潔に記された日ごとのタイトルはユニークで、読む者の興味をそそります。

 例えば「三つの『改宗』」「消費者向けキリスト教」「うさぎ穴のクリスチャン」「聖書は、お茶漬けではない」などです。

 日ごとの「聖書のみことば」は十節前後で多くも少なくもなく、多忙な人への配慮が見えます。まずは聖書を開いて読み、個人的にみことばに聴くように導かれます。

 中心聖句が表記され、エッセーが続きます。原文著者は二十四名と多く、霊的示唆に富む例話が多方面にわたり、読者の多様な必要にこたえてくれます。

 例えば著名な牧師や説教家、賛美歌作家、神学者を始め、俳優ジュリア・ロバーツ、チェロ奏者パブロ・カザルス、心理学者フロイト、政治家コンラート・アデナウアー、文筆家C・Sルイス、コナン・ドイルほかです。

 エッセーの要約は祈りを導き、決心を助ける金言となっています。

 例えば、一月一日はこうです。「それを脇に置いて、しばらく休もう。さもなければ、君が壊れてしまう」(ヘイヴナー)。八月十九日は「心を一新する最善の方法は、毎日、聖書を読むことだ」です。

 各頁の一番下に「一年で聖書を!」とあるとおり聖書通読へのチャレンジです。

 デボーションも聖書通読も、力に応じて取り組めるようにと、配慮の行き届いた、味わい深い『デイリーブレッド』の発行に感謝します。