書評Books 良き家庭を創るために

FGBMFI JAPAN 会長 保田勝巳

 

『働き方改革より父親改革
仕事も家庭もうまくいく10のツール』
グレゴリー・スレイトン 著
糟谷恵司/新美幸子 訳
B6判・定価2,200円(税込)
フォレストブックス

著者のグレゴリー・スレイトン氏と初めて出会ったのは、FGBMFI(フルゴスペルビジネスメンズフェローシップインターナショナル)世界大会がアメリカ・ネバダ州で開催された時です。そのとき、日本でファミリーファーストのミッションを展開したいと熱く話され、協力を依頼されました。その後、氏が訪日されたとき、私たちの仲間とミーティングを東京都内で開催し、ビジョンをさらにお聞きし、ぜひそのビジョンを日本に伝えたいと思いました。そして今年、『Be a Better Dad Today!』の日本語版が出版されました。

日本の父親は家庭でやすらぎを得ることができず、仕事でも疲れ果て、仕事後は街でストレスを発散する人もたくさんいます。そのような状況の中、私は職場で、子育てや家族関係等で悩んでいる人からいろいろな相談を受けます。

本書は、家族の問題を持つ父親たちにとって、解決策を見出す大きな助けとなると思います。日本の父親たちは、ビジネスの成功を得るには、家庭は犠牲になっても仕方ないと信じています。しかし、家庭で父親としての役割を果たしてこそ、ビジネスでも祝福されますから、そういった意味では、本書はビジネス書とも言えます。

日本語版の題名にある「働き方改革」は、令和の時代に日本社会で大きな課題となっています。また昨年から世界を襲ったコロナウイルスの感染拡大で、社会の仕組みが大きく変革されつつあり、働き方の改革が急速に進行しています。そのような中、本書が日本で出版されました。ぜひ、日本の父親に読んでいただきたいと思います。また、本書で紹介している「父親改革の10のツール」は、ビジネスでも利用できるツールです。それぞれに「実践ガイド」が書かれており、日常生活で父親たちが適用できると思います。

また、本書は父親だけでなく、家族全体で実践できることが書かれています。良き家庭があってこそ、ビジネスも成功します。人生の基礎となる家庭で父親の役割を果たす人こそ、ビジネスでも成功すると思います。良き家庭を創りたいと思う方々にお読みいただけたらと思います。