特集 クリスマスに福音を届ける 文書をとおして福音の光を届ける

クリスマスこそ、イエス・キリストを伝えるにふさわしい時。伝える形はさまざまですが、心をこめて福音を伝える素敵な本やトラクトを、大切な人のために贈ってみませんか。

 

日本同盟基督教団・伊達福音教会 牧師 三浦 たたう

 

ずっとそばにいてくれる福音
私が初めてもらったキリスト教書籍は、十七歳の誕生日に父からもらった聖書でした。小さい頃は「いつか旧新約聖書を持ちたい」とあこがれたものですが、当時は反抗期で、全く興味なく部屋の本棚に置きっぱなしにしていました。
しかし高校卒業後、仕事や人間関係等、すべてがうまくいかず、行き詰まっていた時に、ほこりをかぶっていた聖書が目に留まり、初めて自分から「聖書を読んでみよう」と思いました。そしてすべての原因は自分の罪にあることに気づかされ、二十三歳の時に洗礼を受け、今は牧師の道を歩むようになりました。あの時、すぐ手の届くあの場所に聖書がなければ、私は自分から聖書を買ってまで読もうとは思わなかったでしょう。
キリスト教書籍やトラクトを誰かに渡すということは、受け取った人のすぐ手の届くところにまで福音の光が来ているということです。私たちは、出会った人のそばにずっといることはできませんが、その時に渡した書籍やトラクトは、その人が手放さないかぎり、ずっとその人のすぐそばにあります。彼らが苦しんでいる時、悲しんでいる時、孤独の時、悩んでいる時、彼らが光を求めて手を伸ばした先にあるものが、私があげた一冊の書籍やトラクトであったら、こんなに嬉しいことはありません。

 

話すことが苦手でも
福音を伝えることは、信仰をもって間もない人や、人と話すことが苦手な人には、ハードルが高く感じるでしょう。頭では分かっていても、いざ伝えようとすると、思ったように言葉が出ず、情熱が空回りして、話が支離滅裂になってしまうことがあります。次に会った時に挽回しようと思っても、たいていの人は、貴重な時間を割いて「もう一度この人から話を聞きたい」とは思わないでしょう。
その点、書籍やトラクトなどは、文章も構成も整えられ、言葉も選び抜かれていますから、言いたいことは伝わるでしょう。よく理解できなくても、繰り返し読むことができますし、その時は時間がなくても、あとで落ち着いて自分のペースで読むことができます。文書伝道(ぶんでん)は、信仰をもって間もない人や、人と話すことが不得手な人でも、誰でもできる伝道の一つです。

 
   
「オイコス計画」を知って
三年前、教会の年間聖句は「あなたのパンを水の上に投げよ。ずっと後の日になって、あなたはそれを見出す」(伝道者の書11・1)でした。まだ新型コロナの影響で、訪問したり、人を呼んだりすることが難しい状況でしたから、「パンをまけば感染が広がると言われかねない状況の中で、このみことばですか」と思いました。
しかし、みことばを繰り返し読むうちに、「コロナが終わってからではなく、今パンを投げれば、コロナ終息後に見出すかもしれない。たとえ今の世代がその実を見ることができなくても、ずっと後の次世代が見出せるように、今できることをしていこう」と示されました。
その頃、いのちのことば社を通じて、全家庭にトラクトを用いて福音を届ける「オイコス計画」を知りました。トラクト配布は散々やってきたから無駄ではないかとも思いましたが、賛同教会には無料でトラクトを提供してもらえると聞き、これは「主が与えてくださった恵みのパンだ」と受けとめ、早速申し込みました。

 

一枚のトラクトの力
配布を開始して翌年、トラクトを見た二十代の女性から聖書を学びたいとの電話を頂きました。最初は知識としての学びでしたが、次第に、彼女は「これは自分とは無関係ではなく、自分もキリストによって救われなければならない存在なのだ」と気づきはじめ、二年間の学びを経てついに今春、受洗されました。
パンを水の上に投げるような思いで始まったトラクト配布。約一万枚配布し、その一枚が用いられ、一人の魂が見出されました。パンを投げてみなければ決して見ることのできない恵みがあることを教えられました。
「なかなか思うような実を結ばない。こんなことして意味があるのか、無駄なのでは」とあきらめて何もしないよりも、その犠牲はずっと後の日に必ず恵みに変えられると信じて、今できることを精一杯やってみる信仰に立ちたいと思わされます。
たとえ、地上でその実を見ずとも、相手のことを思い、その人が抱える問題や苦しみに少しでも解決の光が与えられるために、どの書籍がいいかと悩み、祈り、時間と労力と財を捧げる生き方ができたとすれば、それはすでに神に喜ばれる尊い生き方なのだと思います。
もうすぐ、世の救い主として来られた主イエス・キリストの誕生をお祝いするクリスマスです。ぜひ、信仰をもって間もない方や伝道が苦手という方も、人々の心が開かれる今こそ福音の光を、恵みのパンを届ける「ぶんでん」にチャレンジしてみませんか。家族や職場の方、友人に書籍やトラクトをクリスマスプレゼントしてはいかがでしょう?
もし何をプレゼントしたらいいか分からないという方は、ぜひ「ぶんでんチャンネル」の書籍紹介を視聴されることをお勧めします(約五分)。司会の「はぎちゃん」が、その季節にふさわしい書籍の内容をかいつまんで分かりやすく紹介してくれますよ。

 

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