373 時代を見る眼 国際化時代の教会を考える〔1〕 3つの教会が手を取り合って

秦野キリスト教会牧師
照内 幸代

 

私は2019年3月に神学校を卒業し、同年4月に現在も牧会している日本ホーリネス教団秦野キリスト教会に遣わされました。
秦野教会は3階建ての1つのビルを、3つの教会が分け合って使用している国際教会です。
1階には日本語教会、2階にはブラジルホーリネス教団秦野教会、3階には単立サンティダ・エヴァンジェリカ教会があります。ブラジル教会ではポルトガル語で、サンティダ教会はボリビア人教会なので、スペイン語で礼拝がささげられています。
赴任して早々役員さんたちから、「イースター礼拝は合同でしていますので、ブラジル教会の牧師と話して、礼拝の段取りを聞いておいてください」と言われました。イースターまで時間がなかったので、早速ブラジル教会の牧師を訪ね、プログラムの準備や奉仕者の手配、パワーポイント作り、週報作成のことをおうかがいしました。
すると、ブラジル教会の牧師は、ぽかんと私の顔を見つめておっしゃったのです。 
「パストラ(女性の牧師)、そんなに細かいことを気にしなくてだいじょうぶですよ。なんとなくやりましょう。」
少々お堅い神学校を卒業したばかりであった私にとって、その言葉は大変衝撃的なものでした。しかし同時に、心の内にあたたかな懐かしい感情が沸き上がりました。
私は大学時代1年間、オーストラリアに留学しましたが、留学先には南米人がたくさんいたのです。最も仲良くしていたのはコロンビア人とペルー人でしたが、ブラジル教会の牧師の一言を聞き、その時の思い出がよみがえるような心地がしました。
「そうそう、これが南米流だよ。こうでなくちゃ!」
神様はこんな形で、留学時代お世話になった南米人たちに恩返しをさせてくださるのかと、神様の導きに感謝したことでした。
異文化交流の根幹は、相手を尊敬することと感謝することです。特に私たち日本語教会は、先に秦野で開拓していたブラジル教会の礼拝堂を、夕方から使わせていただいて教会開拓が始まりました。
南米教会が先にあって、彼らの活動に支えられて私たちの活動があるという感謝を、私たちはいつも基本のこととして持っています。