連載 New Life, New Light 第7回 礼拝の広がり

フォトグラファー
辻まき子

三重県在住。東京基督教大学卒業。photo studioハナレ所属。2016年からニューボーンフォトや家族やプロフィール撮影を中心に、その人らしい自然な姿を残せるよう心掛けて撮影しています。
Instagram@maccopiでは日常の写真もご覧いただけます。

 

前号に続き、私の歩みをもう少しだけ分かち合えたらと思います。
「こういう時は好きなことをやってみら?」と体調を崩していた頃、アドバイスを受け、私は「そうだ……」と埃をかぶった一眼レフカメラを引っ張り出しました。20歳のお祝いに父から贈られたものです。久しぶりに何の目的もなく外に出かけて、何枚か写真を撮ってみました。ですが、自分が期待していた“理想”からほど遠い写真にがっかりしてカメラをやめてしまいます。それから、散歩、料理、読書、他にもいろんなことをやってみましたが、数か月経って、やっぱり写真が撮りたくなり、カメラをもう一度手にしました。
当時は、日曜日が近づくと体調が悪くなってしまい、礼拝へ行くことができませんでした。そんな日々の中、母校東京基督教大学へ宿泊する機会がありました。泊まった翌朝、早く出発する私を見送ろうと、在学中にもお世話になった辻中先生が玄関まで出てきてくれました。私が今の状況をぽつりぽつりと話していたちょうどその時、目の前に朝の光がゆっくりと広がりました。話の途中だったのですが、思わず、光に向かってカメラを向けていました。先生はいつもの調子で「あなたにとって、これが礼拝だね」と。その一言が、なんだか心に沁みて、長年硬くなっていたこだわりが静かに解けていくようでした。
礼拝とは、まず、ありのままの私で神さまの前に出ること。それぞれが神の作品ですから、神に造られたデザインにしたがって心から礼拝することを主は喜んで受け取られるのだと実感しました。私にとっては、その一つが「写真」なのかもしれません。そんな気づきを与えられた大切な記憶です。