連載 Amazing Grace 最終回 闇の中の光

~今月の山~
八ヶ岳

 

写真
ベアンテ・ボーマン

 

プロフィール
スウェーデン出身。宣教師。チェロ奏者。1980~2011年まで東京交響楽団の首席チェロ奏者を務める。現在は、ソロや室内楽、客演首席チェロ奏者としての演奏活動を行う一方で、チャペルコンサートをはじめとする宣教の働きにも携わる。
2003年9月に公募部門で全日本山岳写真協会賞を受賞。全日本山岳写真協会会員。

 

この写真は八ヶ岳から撮ったものです。凍てつくような寒い早朝、まだ暗いうちに黒百合ヒュッテ(山小屋)からさらに登り、撮影しようと決めていた場所に着きました。夜の闇をつらぬく夜明けの輝きは天狗山の頂上を背景に、雪におおわれた木々を美しい色で包み込みました。
聖書は光と闇についてよく語りますが、それは単に昼と夜を意味しているのではありません。闇は罪の中に生き、悪い行いをする人々を比喩的に表現しています。世界は憎しみ、犯罪、貪欲、そして利己主義で満ちています。イザヤ書8章22節及び9章2節が「地を見ると、見よ、苦難と暗闇、苦悩の闇、暗黒、追放された者。……闇の中を歩んでいた民は大きな光を見る。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が輝く」と語っているように、そのような状態から人を救うために神は、御子イエス様を人としてお遣わしになりました。しかし、ヨハネの福音書3章19節が「光が世に来ているのに、自分の行いが悪いために、人々が光よりも闇を愛した」と語っているように、多くの方は光よりも闇を愛し、人の光、まことの光であるイエス様を受け入れなかったのでした(ヨハネの福音書1章11節)。神は暗闇と死の陰に生きる人々に「生ける望み」(ペテロの手紙第一1章3節)を与えたいのです。