こころを灯す光 第3回 新しい創造

頓所 康則
プロフィール
新潟県燕市出身。1985年生まれ。ハガキにペンを使って、その時その時の思いを描く活動をしている。どう生きたらいいかわからなくなった時に聖書に出合い、主イエスを信じる。2019年11月3日、新潟福音教会にてバプテスマを受ける。

 

所属教会に、とても素敵な風景画を描く方がおられます。受洗前、新潟県庁の展望回廊で彼の絵の展示会がありました。どれも新潟の馴染みのある風景。彼が描く風景はとても優しくて、心癒やされました。絵を一通り見た後、外の景色を一望し、私も彼のように世を優しく捉えられますようにと祈りました。

今の私にそれができているでしょうか。介護の現場で働いていると、日々状況が目まぐるしく変わります。ご利用者への対応、職員との連携、自分の頭でしっかり考えて動かないと、業務をスムーズにこなせません。毎日のことで精いっぱい。

そんな中、通勤時に車内から見る景色はとても美しく感じます。早番出勤時の澄んだ空気、朝日が昇る空のグラデーション。遅番退勤時の夜の静けさ、通りの少ない国道。季節ごとに顔を変える田園風景。秋になると白鳥が飛来し、田んぼに餌を求めにやって来ます。冬の雪の多い道中は職場まで辿り着くまでも一苦労ですが、それもまた新潟らしさ。車内で好きな音楽を流しながら、その時その時の景色を味わっています。

入社して2年が経ち、ようやく慣れてきたように思います。それでも時には失敗し、悔しくて、情けなくて、涙することもあります。そんな時は、新約聖書のガラテヤ人への手紙6章を開きます。
「失望せずに善を行いましょう。あきらめずに続ければ、時が来て刈り取ることになります。」(ガラテヤ人への手紙6章9節)

介護の仕事はクリエイティブな仕事だと学びました。現場にいてそれを実感します。困難な状況においても柔和な心を失わず、仕事や日々の生活の中で、「新しい創造」(同6章15節)を続けていきたいと思います。