こころを灯す光 第2回 雀の一羽でさえ

頓所 康則
プロフィール
新潟県燕市出身。1985年生まれ。ハガキにペンを使って、その時その時の思いを描く活動をしている。どう生きたらいいかわからなくなった時に聖書に出合い、主イエスを信じる。2019年11月3日、新潟福音教会にてバプテスマを受ける。

先月、アトピーのことを少し書きましたが、今月はそのことを交えながら。

子どもの頃から悩まされ、高校生の頃に悪化し、半ば不登校になりながら、なんとか卒業しました。「どうして自分だけ……。」そんな思いを抱えながら大人になったものだから、全くと言っていいほど、私は人に心を開けなくなっていました。

社会にうまく溶け込めず、年を重ねる一方。絶望感だけが募り、「私さえ生まれてこなければ、家族みんなが幸せになれたのに。」そんな自責の念が湧くようになっていました。

「二人は言った。『主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。』」(使徒の働き16章31節)

私もこの箇所に出てくる看守のように、死を選ぼうとしたこともあります。けれど今は、つらくても、苦しくても、なんとか生きようと思えます。

痒みに苦しみ、絶望し、ベッドで横たわるしかなかった私が、教会だけでなく、職場や絵を通して、たくさんの人と関わることができています。がんばっている私を見て、いいねと言ってくれる人たちがいます。

描いた絵も、白黒にこだわっていたものが色鮮やかになり、自分でできあがったものを見て、うれしく思うことが多いです。

今月は、つがいの雀を描きました。私の髪の毛までもすべて数えてくださっている主が、私の思いの隅々まで見ていてくださると信じます。

もう一人ではありません。主がともにおられるから。「どうして自分だけ……。」そんな思いに囚われて、自分の価値を見失ってしまいませんように。イエス様のように人の心に光を照らす、そんな作品を残していけますように。