砂漠の花園 第7回 ミラクルライフ(奇跡の人生)

フォトグラファー  サンティラン前田登茂恵

南カリフォルニアの砂漠には、バッドランド(悪地)と呼ばれる、結合度の低い堆積物からなる地層が風雨により極度に侵食された、峡谷状の荒地地帯があります。砂のようなルースな堆積相の峡谷がくねくねとどこまでも続いているのです。こんな不毛地帯には生き物など存在できないし、植物だって育つはずがないように思われます。
もともとアドベンチャー好きな私でしたが、自分がハンドルできる限界(と思っている)があります。でも、私の許容範囲を超えた行動をするサバイバル系のワイルドな夫を持つと、その境界線が少しずつ広げられていきます。この、なんとも美しい紫の花、「ファセリア」を見つけたときもそうでした。
四輪駆動車で悪地の道なき道を探検してみようと言うのです。行く先は見えません。この角を曲がって、その先に何があるのか、まったくわかりません。くねくねの峡谷で曲がりきれなくて、車が狭い峡谷にスッポリはまって動かなくなってしまいそうになったり、なんとか曲がり切るために車が傾いてひっくり返りそうになったり、大きな石が転がっていてタイヤがパンクするのではないかとヒヤヒヤしたり、まさに私の許容範囲を超えていました。何度も引き返そうと言っても、夫は聞きません。「ああ、主よ。助けてください。なんとかしてください」と祈ったそのときでした。角を曲がるとそこに、突然、傾斜した砂の壁一面に、綺麗な紫の花が咲いていたのです。驚きです! まさに、主が見せてくださった、不毛の悪地に咲くミラクルフラワーです!
私たちも、この花のように、「一体どうしてそんな状況で平安で喜んでいられるの?」と質問されるようなミラクルライフを送れば、ローマの牢獄で賛美していたパウロとシラスのように、迫害の中で喜びと希望に満ちていた初代教会のキリスト者たちのように、無から有を呼び起こし、死人を生かす神、よみがえりの主、私たちの希望であられるお方、イエスを証しできるでしょう。
「あなたがたのうちにある希望について説明を求める人には、だれにでも、いつでも弁明できる用意をしていなさい。」(Ⅰペテロ3・15)