DVD 試写室◆ DVD評 ★子どもたちは、確かに変わる!―― 教会の次代を育てるために
「マナマナポン!」

「マナマナポン!」
大橋由享
友愛グループ イエス・キリスト ファミリー教会牧師

私たちの教会では、昨年の夏から、奥多摩で開かれているバイブルキャンプに、小学生たちを送り出すようになった。
しかし、結構、遠いのだ。電車の車両内に東京近郊路線図が貼ってあるが、私たちの教会の最寄駅はいちばん右端。一方、目的地の奥多摩はいちばん左端に位置する。この路線図横断の旅に要するのは3時間半。しかも、3泊4日分の荷物でパンパンのリュックを背負った子どもたちを10人近く引き連れて、5回も乗り換えをしなければならない。骨が折れる旅だ。
しかし、それだけの労力をかける価値がある。なぜなら、子どもたちは、霊的に燃やされ、新たな決意を胸にキャンプから帰ってくるからだ。昨年は6年生の男の子が、このキャンプをきっかけに、バプテスマを決意した。子どもたちは確かに変わるのだ。
私たちは、「最近の子どもは!」と言って、眉をひそめ、嘆息しがちである。しかし、21世紀の子どもたちも捨てたものではない。大人が忘れてしまった純粋な部分を、確かに持っているのだ。私たちは、この子どもたちの心に期待を持って、もっともっと、彼らに、福音を語るべきではないだろうか。決して、諦めてはならないのだ。そんな子どもたちに、ごく自然な形で聖書の教えを伝えるのが、前回、前々回と紹介してきた、DVD「マナマナポン!」シリーズである。NHK子ども番組のキリスト教版と言うと、わかりやすいかもしれない。子どもたちも、違和感なく、見ることができるはずだ。
毎回、メインキャラクターであるこぐまのリトル・ジョイと、ナビゲーターのお姉さんによるオープニングトークで始まるのだが、これも教育番組で定番のスタイル。NHKと違うのは、このコーナーが、毎回、お祈りで終わることだろう。
続いて、クリスチャン作家である柳川茂氏、河井ノア氏による作品を朗読するテレビ絵本、子どもたちの身近な生活に引き寄せて、聖書の教えを語るミセス・チャーチのショートメッセージへと続く。
これまで、子ども向けのソフトがいろいろと作られてきたが、このようなスタイルのものは、おそらく初めてでだろう。
今回リリースされたのは全3巻。各巻4話収録だから全12話である。この新しい試み、さまざまな困難もあるだろう。しかし、ぜひ、続けていただきたい。ロングシリーズになり、大いに用いられることを期待する。なぜなら、この世代の子どもたちこそが、教会の次代を担うことになるのだから。