CD Review ◆ CD評 CD『ぺんぺん草のうた』

CD『ぺんぺん草のうた』
佐久間 顕
恵みシャレー軽井沢総支配人
軽井沢星野富弘花の詩画展を開く会実行委員長

星野富弘夫妻と岩渕まこと夫妻のやさしさコラボレーション

 タイトルを見て、「うん」とうなずいた人は星野富弘ファンとお見受けします。「?」と思った人は富弘さんの詩画集を見てファンになってください。「うへー」と感動した人は岩渕ワールドと星野ワールドに精通したダブルファンと言えます。私は、勝手ながらダブルファンを自認しており、幸いにも両ご夫妻と少々のお付き合いをさせていただいております。

 お二人は今回のCD制作にあたって初めてお会いしたとのことです。その場に私も居合わせましたが、「初めてのオーディションか、お見合いのように緊張した」雰囲気が流れていましたが、岩渕さんが歌うごとに、その空気は和やかなものに変化していきました。その大きな理由は「歌いやすい、聴きやすい」ことだと感じました。事実、その場に集っていた人々が初めて聴いたにもかかわらず帰りがけには全員で「ぺんぺん草」を楽しそうに、しみじみと歌っていました。私は歌うことについてだけは神様から賜物をもらい忘れた(?)者ですが、この曲は私でも歌うことができました。

 このCDには14曲が収められていますが、内容としてはあらゆる詩画のジャンル(心に響くだけではなく、しんみりしたり、笑えたり、涙するもの)があり、その時の気分にあったものが必ず聞ける配慮がされています。また、音楽的にもいろいろなスタイル(テンポ)がありこれも楽しいものです。

 また、忘れてならないのは両方の奥様の存在です。星野さんの詩画は奥様の昌子さんとの共同作業で生まれたものと思います。岩渕さんの奥様の由美子さんも、今回の曲に使用する詩の選定や数曲をボーカルで参加しています。「がくあじさい」に込められた富弘さんの昌子さんへの思い、「歌 岩渕まこと」の後ろに小さめな字で「with 由美子」と書いたまことさん流の奥様への感謝の心遣いを感じます。

 来年の夏には「星野富弘花の詩画展」が軽井沢で開催されます。ぜひ、緑豊かな軽井沢で、このCDを聴きながら「心が元気になるやさしさとの出会い」を体験してください。