98%クリスチャンの国から1%クリスチャンの国に来て 第1回 霊的な故郷

アマリア・ネクラエシュ
日本ルーテル教団新潟のぞみルーテル教会員

 本当に神さまを知るためには、何が必要でしょうか?
私にとっては、九十八%クリスチャンの国から、一%クリスチャンの国に来ることが必要でした。不思議に聞こえますか? ご説明しましょう。
九十八%「クリスチャンの国」で生まれて、自分の家族もその九十八%の中にいるなら、神さまを知ること、神さまの救いを知ることを当然、期待するでしょう。しかし、そうとは限りません。少なくとも私は違いました。私も私の家族も、本当の意味では知らなかったのです。神さまのユーモアでしょうか。意外にも、私は日本の文化にぶつかって、ショックを受けたおかげで、神さまを知ることができました。
日本に来て、びっくりしました……。ケーキを食べてガールフレンドと一緒にラブホテルに行くためのクリスマス、ホステスクラブとソープランドがある歓楽街、何年も心を開いて話をしない夫婦、パパとすれ違いの生活をする子どもたち、とんでもなく高い自殺率、希望を失ってうつになったたくさんの人たち……。
そして、心の底から思いました。〝神さまを知らない人は、平気で、こんなことをするなんて! こんな風になってしまうなんて!〟
おかげで私は、信仰について深く考えることが多くなりました。
「イエスさまを信じることは当たり前ではなくて、感謝すべきことじゃない?」 「私は生まれながらに与えられた信仰を本物だと思い込んでいるんだろうか、それとも実際に本物の信仰に生きているんだろうか?」 「今、〝神たち〟をチョイスできるとしたら、私の主としてイエスさまをもう一度選ぶだろうか? もし選ぶなら、なぜ?」
 これらの大きな疑問が、頭の中でグルグル回り始めたのです。
やがて、「あること」があって私の信仰は、生まれ変わりました。日本に来なかったら、本当に神さまを知ることは、できなかったかもしれません。ちなみに、私のようなケースは、特別ではないのです。同じ経験をしている外国人がいることを聞いたからです。
今、過去五年間の信仰生活を振り返ってみて、つくづく思います。私は、人間としてルーマニアで生まれましたが、霊的には日本で生まれました。私にとって、日本は〝霊的な故郷〟になりました。それが神さまのご計画だったのかもしれませんね。