風色のカレンダー 1 ものを作るということ

風色のカレンダー
相馬幸恵
ミニチュアクラフト

 幼いころから、自分でものを作ることが好きでした。たとえば、妹との庭でのおままごと。落ち葉やさざんかの花びら、木の実などでごはんのおかずを作ったり、椿の花びらを糸でつないでネックレスにしてみたり、ボール紙を貼り合わせて、家や大きなバースデーケーキも作ったりしました。また、母から端切れをもらって小さな人形の服も作りました。

 そのようにして、たいした材料のなかったころでしたが、かえって限られた中で、創造力が養われていったのだと思います。さらに自分なりに考えて作り上げた喜びを味わうことで、創作のおもしろさを知っていくことになったのかもしれません。

 現代は、物があふれている時代ですから、プレゼントするにも何を贈ればいいのか悩んでしまいます。そんな傑作でなくてもいいから、相手の喜ぶ姿を思い浮かべながら、時間をかけて心を込めて作ってみる。その手作りの良さが今、見直されていると思います。

 今年一年、私ももう一度初心に戻って、美しい自然と季節を創造された神さまのことを思い巡らしながら、制作していけたらと願っています。