非恋愛のススメ!? 神あい結婚

金子清和
バンクーバーめぐみバプテスト教会牧師。

 「出会いがない!」

 よくこの言葉を耳にします。看護士さんや幼稚園、保育園の先生といった同性の人が集まりやすい職場では、出会いの場がとくに少ないと思います。また、日本の教会では女性が比較的多いので、相対的に出会いが少なくなります。

 出会いの機会が少ない人は、誰かに出会いの場をつくってもらう必要があります。それで、世の中にはお見合いや、合コン、お見合い斡旋会社などが存在しますが、神様に出会いをつくってもらうという方法もあります。この結婚への導かれ方を、私は「神あい(愛・会い)結婚」と表現しています。

 ある意味においてすべての結婚は神様の導きのうちになされるのですが、「神あい結婚」の特徴は結婚への導きを完全に神様にゆだねることにあります。恋愛や見合い結婚はどちらかというと人が主体的に出会いを作ろうと働きますが、「神あい結婚」ではそれを神様にゆだね、人は従属的に働きます。

 イサクとリベカの結婚が「神あい結婚」の良い例でしょう。彼らも、結婚の直前までお互いを知りませんでした。出会ってその日、あるいは数日後に神の導きのゆえに結婚したのです。これは一見するとお見合い結婚のようですが、大きく違うところは、アブラハムも僕もイサクの結婚相手の見当がとくになく、「主は、御使いをあなたの前に遣わされる」と、導きのいっさいを神様にゆだねていたこと、この出会いが神様の導きであると客観的に理解できることです。

 ところで、「神あい結婚」では当人の意思はこのように付随的で、神様からの導きの確信を第一優先にして結婚に臨みますが、当人の意思が付随的というのは、どこかの国のように周りの人が勝手に結婚相手を決めて本人の意思は結婚に反映されない、というものではありません。たとえば、イサクもリベカも断る自由が与えられていました。