編集者より 37865

 理由は覚えてはいませんが私は「人魚姫」の絵本が好きでした。典型的な「お姫様」に憧れる少女でした。夢の中ででも「人魚姫」になりたくて、絵本を枕の下に入れて寝ていました(一回だけ人魚姫になれました!)。幼い頃読んで覚えている物語は、結末が悲しいものが多いような気がします。人魚姫も恋に破れ泡になってしまう物語です。当時、私はとうてい恋心というものを知りませんでしたが、「恋心」の切なさは人魚姫と一緒に体験していたと思います。大人になり私も人魚姫の思いのように涙する日もありました。幼い頃の感受性は今につながっていると思います。これが絵本の一つのおもしろさかもしれません。(梶)