続 四十路へのずっこけ恋愛道 教訓四 その人の生き方が顔に出てくる。
無理してタレントの顔にたとえるのは意味なし……?

松本望美
北朝鮮宣教会所属

 最近、三十路ミッションのある友人が電話をかけてきて「恋をしたの~!」と言う。

 「へえ~、めでたいね~! で、どういう男性? タレントでたとえると、どんな感じ?」と聞くと、「目はヨン様って感じかな~?」と言う。「じゃあ、優しいタレ目ってこと?」と聞くと「う~ん。ヨン様の顔を雑巾で一回ぬぐったような感じかな?」と言う。……ヨン様を雑巾で一回ぬぐったような顔って……?「悪いけど、写真送ってよ」と頼んだ。

 その次の日、彼女からのメールに彼の写真が添付してあった。「はあ……ヨン様じゃないから……」。いやいや、人間は決して見た目ではありません。神さまの愛情込められた手づくりの作品ですからね。正直、神とともに生きている人って、男女とも素敵なオーラというか、キリストの香りがしてくるものです。

 統計からすると、わが「三十路ミッション」のみなさんも私も決して面食いではないようだ(失礼?)。しかしながら、「その人ってどんな人?」と聞いてみると、なぜか「タレントで言うなら……」と返ってくる図々しさも忘れてはいない。「じゃあ、写真送って」と数人で答え合わせをすることになるのだが「全然違う」。「恋の病にやられてる」「口元だけは似てるかも?」と言いたい放題だ。そんな彼女たちが謙遜になって「タレントでたとえるなら……雑巾で一回ぬぐったような」とか「タレントの誰それがくしゃみしたような顔」と言い始めた。でも、それも非常にわかりにくい……。

 さて、先日ある男性から電話がかかってきて、仕事の話で会うことになった。実は、その人のことをあんまり覚えていなかった。「背はそんなに高くなくて、やせていて、髪の毛がうっすらと薄くて、ちょっと気弱な感じだったっけ?」とおぼろげな記憶しかない。

 当日、待ち合わせ場所に行くと、「望美さん!」と声をかけてきた男性がいた。背が高く、がっしりした男性で、センスのあるスーツ姿で登場。ちょっと素敵だ。生き様が顔に出ている。その晩、私は友人に電話をかけた。「それでね、“打てば響く”っていうの? 頭の回転も速くて、仕事への情熱もあるし、さらに、気さくで優しい」と報告する私。友人は「じゃあ、タレントでたとえていうなら誰?」と聞いてきた。

 「そうねえ~」と検索し始めた私に友人が一言。「雑巾を持ち出すたとえはなしでお願い」と念を押してきたので、「落語家の柳家紅緑って感じ?」と言うと「は? マニアックすぎてわからない」と友人。

 「じゃあ、違うタレントでたとえてみると、ほら、あのドラマで父親役をやっていた名脇役の俳優でさ……」と言うと「あ、もういいや」とあえなく終了。そして友人一言、「望美のたとえは、マニアックかマイナーな人すぎて全然わかんない!」。