ブック・レビュー うまくいかない日もあるけど、やっぱり大切な「愛」のこと

 『愛という名の贈り物  』
錦織 寛
日本ホーリネス教団 東京中央教会牧師

著者のゲーリー・チャップマンは、アメリカ、ノースキャロライナ州の教会の牧師であり、また結婚カウンセラーとしても有名で、世界中でセミナーや講演会を行っている。
このチャップマンが、愛の人を形づくる七つの特徴をあげ、一つひとつ自身の豊富なカウンセリング経験から出てくる、どこにでもありそうな実例を紹介しながら解説している。この七つの鍵とは、優しさ・忍耐・赦し・礼儀・謙虚・厚情・親切である。まさにⅠコリント一三章の愛の章にある「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません……」という愛の姿が、現代においても真理であることを見事に描いてみせる。
そして、チャップマンは、これらの七つの鍵が結婚において、子育てにおいて、職場において、どのように具体的に描かれていくのかを見せてくれる。ディスカッションのためのガイドもあって、グループの学びにも使えそうだ。
私はこの本を、とある教会での奉仕に向かう行き帰りに読んだ。とても納得し、頷きながら。
家に帰り二日ぶりに妻と会って、さあ、本で読んだことを実践しなくちゃ、と思っていたとたんに大げんか。本を読んだからといって、そう人間うまくはいかない。あーあ、まだまだ私は愛の修行が足りないのだ。
この書評を書く直前にも妻とけんかをした。そういう流れではなかったのだ。一緒にお皿を洗っていたのだ。
妻曰く、「私たちは危機よ。あなたにその危機感がないのが問題なのよ」「そんな言い方があるか。そもそも『危機』というのはだなあ……」声がうわずっていく。どうもタイミングが悪い。またやってしまった。私はこの本を、よっぽど何度も読まなければならないのだろう。
この本は、『愛を伝える5つの方法』の続編でもある。もちろん、どちらから読んでもいい。でも、ぜひあわせて読まれることをお勧めしたい。
ちなみに……心配しないでください。一通りやりあった後、デートしてきました。結婚二十三年。まだまだ若葉マークがとれません。