ブック・レビュー 『ラヴィング・マンデー』
聖書の真理がビジネスを変える

『ラヴィング・マンデー』
三谷康人
元カネボウ薬品会長/インターナショナルVIPクラブ・顧問

これほど深く掘り下げた本はほかにない

 この本を読み、驚いた。「信仰と仕事」に関して、これほど深く掘り下げ、具体的体験をもって書かれた本に出会ったことがなかった。

 例えば、会社は利益を出せと富を厳しく追及してくる。これは聖書の教えと相反し、多くのクリスチャンはこの二律背反を解決できず悩みながら仕事をしている。

 また、会社でクリスチャンと言えば、仲間はずれにされはしまいかと心配し、やむなく隠れクリスチャンになって悩んでいる人。あるいは、日曜日は礼拝で主を賛美し、ウィークデーはこの世のルールに従い、心ならずも心で二重生活をしている人。社会に出ると、この世とある程度妥協しながら仕事をしないと生きていけないと不安を抱いている大学生。このような多くの悩みに答えを出し、主にある希望と喜びの人生へと導いてくれるのがこの本である。

 そして、この本は「信仰と仕事」が一致してこそ本当のクリスチャンの生き方があることを体験事例で教えてくれる。著者の深い信仰の姿勢から、生きる希望と勇気が与えられる。毎日聖書を読み、祈り、それをビジネスに生かしている。仕事は神から与えられたもので、賜物を生かし、使命感を持って働くことを教えてくれる。著者は社長にもかかわらず、従業員に対し、キリストの愛をもって仕える姿勢で接している。従業員は喜びと誇りを持って働いている。また、著者は神に対する強い信仰があり、「イエスだったらどうするだろうか?」と考えつつ、高潔な人生を歩んでいる。

 さらに、聖書は人生の方向を示す指針であり、羅針盤であると確信を持って語っている。そして仕事を通してクリスチャンとして輝き、伝道に結びつけていっている。当然の結果として、事業も主から大いに祝福され栄えてきている。そこにクリスチャンとしてのすばらしい生き方のモデルを見ることができ、読む者に希望と勇気を与えてくれる。そして厳しいこの世でクリスチャンとして「地の塩」「世の光」となることを教えてくれる。