ブック・レビュー 『「教会は初めて」という人のための本』

「教会は初めて」という人のための本
横山 幹雄
聖書教会連盟 内灘聖書教会 牧師

好評のファースト・ステップ・シリーズの第四弾

 初めて教会の門をくぐった日、心臓バクバクで、冷や汗びっしょりでした。アメリカ人講師が話をすると聞いて、本物の英語を聞いてみようというのがきっかけでした。弟を無理やりひっぱって行き、「あのう、弟が教会に来たいというので連れてきました」と言って。そうでも言わなければ教会などという清らかな世界には入れなかったのです。

 このたび内田和彦先生が「初めて」シリーズの第四弾を書いてくださいました。これまでのものと同様、実にわかりやすく、楽しく読むことができます。小冊子ながら、かゆいところに手が届く内容です。「月曜日は普通は牧師のお休みの日なので」「牧師先生は……万能薬をもっているわけはない、全知全能ではない」などという個所は「おっ、よくぞ言ってくれました」とうれしくなりました。

 著者自身がおそるおそる教会に足を踏み入れたという経験から始まります。第一章「教会に行く前に」では、教会に行く人の様々なきっかけ、動機を紹介します。どの教会へ、いつ、何を持って行けばよいのかなど、初めての人のとまどいを解いていきます。第二章「教会の礼拝」、第三章「教会の活動」では教会の内側のすべてを見せてくれます。

 ここまで知って教会にくればもう安心です。観光案内よろしく、本書を持って一つ一つ確認しながら、「ああ、これが招詞」「これが牧会の祈り」「なるほど、これが祝祷」とうなずく人があちこちの教会に出現することを期待します。

 伝道の進まないこの国で、そのすそ野を広げる努力が求められます。このシリーズは、キリスト教用語を極力おさえ、使ってもていねいに説明を加えながら福音を伝えようとする努力の賜物です。問題は、これらをどうやって「初めて以前」の人々に届けるかです。まずはクリスチャンが自分の信仰と生活の基本をこれらで確認し、その後でまわりの方々にプレゼントすることです。「教会はベテラン」という人にもお薦めします。