古川第一郎
日本キリスト改革派　南越谷コイノニア教会牧師

時間と空間を超えた「バイブル・トラベル」

　こんにちは。『ドラえもん』の声優さんたちが交代したそうで、話題をさらっていますね。

　ところでもし、のび太くんと静香ちゃんとドラえもんが、「どこでもドア」で聖書の世界に行って、ヨセフやモーセと一緒に活躍したら、聖書の勉強も面白いでしょうね。

　そのイメージに限りなく近いのが、このタツノコプロ制作の『アニメ親子劇場』です。

　今月は、そのＤＶＤシリーズの第一巻と第二巻を紹介しましょう。収録されているエピソードは、

１巻	(1)アダムとエバ物語 　　　(2)カインとアベル物語 　　　(3)ノアの箱舟物語 　　　(4)偉大な父の物語（アブラハム） 　　　(5)他国の花嫁物語（リベカとイサク）
２巻	(1)ふたごの兄弟物語（エサウとヤコブ） 　　　(2)エジプト物語（ヨセフ） 　　　(3)奇跡のつえ物語（モーセ） 　　　(4)不思議なラッパ物語（ヨシュア） 　　　(5)３００個のツボ物語（ギデオン）

　この中から、『エジプト物語』を一緒に見てみましょう。

　『タイムブック』が突然光り、ページが開きました。そばにいた翔と梓、そしておもちゃのロボットのゼンマイジカケが、そのページに吸い込まれて行った所が、大昔のエジプトでした。

　そこに外国から来た旅人たちがいて、土地の商人と話をしています。「総理大臣に会いに来たんだ」「ああ、あの方なら、何かと力になってくださるじゃろうて」「とんでもない！私たちは、あの大臣にひどい目に会わされているんです！」「えっ、あの方が？何をしたと言うのです？」　彼らは、食料を買いに来ただけなのに、スパイの疑いをかけられて、兄弟の一人が人質に取られている、というのです。商人は言います。「あの方がそんなことをされるなら、きっと何かわけがあるのじゃ」。

　この話を聞いた翔たちは、一体何があったのかと興味を持ちますが、総理大臣の官邸に入れるはずがありません。ところがそう思った瞬間、タイムブックの不思議な力で、３人は官邸の中にいました。

　そこで知り合いになった総理大臣パネアハは、彼らに打ち明け話を始めました。彼は故郷から売られてエジプトに来た、と言うのです。こうして回想シーンが始まり、兄たちとの感動の和解まで、わずか２５分で見事に描き上げられます。「親子と兄弟の愛かあ…」「幸せって、そんなところにあるのね」。翔と梓は語り合い、大切なことを学びました。

　ゼンマイジカケも、タイムブックに入ったときだけは、人間と同じように話したり歩いたりして、いろいろと役に立ちます。翔と梓とゼンマイジカケの、時間と空間を超えた「バイブル・トラベル」は、まだまだ続きます。「君たちも一緒に行かない？」と呼びかけながら。