ビデオ 試写室◆ ビデオ評 78 DVD『アニメ親子劇場』

「アニメ親子劇場」
古川第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会牧師

テレビの人気番組だったバイブルアニメがDVDに

 みなさんこんにちは。今月のビデオ試写室は、この2月20日に発売した「アニメ親子劇場」のDVDシリーズをご紹介します。

 もう20年ぐらい前のことになりますが、月曜日の夜7時半というゴールデンタイムに、毎週毎週聖書のアニメが放送されていたんです。しかも、かなりの人気があって、「アニメ親子劇場」終了後にも、「トンデラハウスの大冒険」に引き継がれ、さらに視聴率が上がって、「パソコントラベル探偵団」という第三の企画にまでつながっていきました。その間に再放送されることもあり、聖書の物語りがこれほどまでに子供の心を打つものなのかと、ビックリさせられたものです。

 しかも、スポンサーはいのちのことば社(ライフ企画)で、「アニメバイブル」のCMなどが心に残っています。この番組の影響で、教会学校に集う子供たちもずいぶんたくさんいました。

 アニメの製作を担当したタツノコ・プロのことは、もうほとんどの人がご存じでしょう。「科学忍者隊ガッチャマン」など数限りない作品を世に出して、今や日本のアニメ史に欠かせない存在となりました。この一流アニメーターによる聖書物語が、テレビのゴールデンタイムで真価を試され、今や恒久的価値を持つ作品となって、DVD化されることになりました。20年たったいま改めて見ても、見事な作品です。

 おもしろいのは、現代の子供である翔(しょう)と梓(あずさ)が主役であることです。ある日、2人が歴史学者でもある翔の父の書庫の掃除をしていると、不思議な光を放つ本を見つけます。それが「タイムブック」でした。この本が、突然光って開くとき、2人はその本を通って、いろんな時代にタイムスリップができるのです。『ドラエモン』の「どこでもドア」のような本ですね。

 この本が2人を最初に連れて行ったのが、エデンの園でした。その美しさと楽しさが、心にしみてきます。そこから出て行ってしまったアダムとエバの悲しさに、涙が出るほどです。そして、カインとアベル、ノアの箱舟、アブラハムとイサクなど、旧約から新約まで、26のドラマの一つ一つを、翔と梓という現代の子供の目を通して、見るだけでなく、一緒に追体験していくのです。アダムとエバと知り合いになり、ノアの箱舟に乗り、復活のイエス様を見ます。脚本に説得力があり、自然に聖書の世界に引き込まれていきます。現代に戻ってくるたびに、親との短い対話があって、それとなく適用が語られています。

 一話25分ほどですから、日曜学校のお話しとしても使うこともできますし、家庭礼拝で一話ずつ見ることもできるでしょう。それに質問をつけたり、お祈りを付けたりして、教育的に使うこともできるし、ただ楽しく観るのも素敵です!子供たちが教会から少なくなっているという時に、このDVDは優れた武器になりそうです。