ココロの出会い ~世界を旅して 第5回 vol.5 近くて、遠い国 ~韓国~

森祐理
福音歌手

 アンニョンハセヨ! 今月はキムチと祈りのパワーに満ちた熱い国、韓国です。日本から飛行機でたった1時間半なのに、どの町にも教会が立ち並び、十字架が掲げられ、数千人規模の教会も珍しくないキリスト教先進国。今回はソウルではなく、地方都市を回って、2週間コンサートを行いました。
まず感激したのは、韓国料理の奥の深さ。食べるエステと言われるだけあって、何十種類もの食材を頂くと、身体が温まり、どんどん元気になっていきます。1日3回のコンサートや真夜中の徹夜祈?会など、ハードでもまったく疲れなかったのは、まさにキムチパワー。アフリカでも中国の奥地でも韓国人宣教師に出会いましたが、その力の源は食だと思わされました。
もちろん、教会あげての熱い祈りと具体的な支援も半端ではありません。なんと、自動販売機に宣教師の写真が貼ってあり、コーヒーを買うと、その一部が献金になるというユニークなアイデアも。何千人の教会では、相当な支援となるはずで、主の知恵ですね。
どのコンサートもともに賛美し、証しに涙してくださり、豊かに祝された時となりました。でも笑顔の奥に、薄いベールのような壁を感じたのも事実です。大都市ソウルと違って、地方の教会はお年を召された方が多く、やはり日本と韓国の悲しい歴史が今も痛みとしてあることを感じました。
その方々の前で賛美する中で、こみ上げてきたことばは、「私たち日本人を赦してください」。涙で壁が解け、心が通じ合った時を忘れることはできません。「日本は、最も近くて、最も遠い国でした。でも今、主の家族に変わりました」。このことばに、日本人の福音歌手として、和解の賛美を捧げていく使命を思わされています。
いつの日かこの日本も、韓国のように十字架が立ち並ぶ国となりますよう、心から賛美と祈りの声をあげ続けたいと願っています。

<編集者より>
「福島の人口は200万余。出エジプトのイスラエルの民とほぼ同じ数です。イスラエルの民を導いてくださった神様は、福島県民をも導いてくださるとの信仰をもってこのことに臨んでいます」。妹のメールには信仰の戦いと記されていました。祖父は仙台で一人暮らし。日々被災地を思います。(永倉)
大震災により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。震源から遠く離れた東京にいた私でさえ「死」を身近に意識するほどの揺れでしたので、被災地の方々の恐怖を思うと胸が痛みます。主の力強い助けの中で必要なものが備えられ、復興が進んでいくようお祈りしております。(加藤)