となりの人々 2 陶器作り

陶器作り
森住 ゆき
日本福音キリスト教会連合 前橋キリスト教会会員

 ある陶芸教室をお訪ねした時、そこに集う方々が、たとえばポトフを作るときのような深鍋や、家族で使うのかなあと思われる組み小鉢など、それぞれの生活の中での用途をくっきりと心に描いて制作に取り組んでいる様子がとても印象的だった。あつあつの牡蠣を食べるためのマイ陶板をぜひ、という男性も。人間は神さまに造っていただいた土の器にたとえられるけれど、神さまは、一人ひとりの用い方を、あんなふうに鮮明に思い描きながらお造りになるのだろうか、などと思ってしまった。

 表紙の絵は、ある養護学校の子供達の作業実習風景を参考にさせていいただいた。力をこめて土を練り、かたちを生み出してゆく。その作業を数人の先生達が見守る。熱心に取り組む子がほとんどだが、集中力がとぎれてしまったり、思い通りにゆかずに投げ出してしまいそうな子供達には先生が寄り添って励まし、時に肩を抱き、手を貸しながら作業を進める。

 いずれ学び舎を巣立ってゆく子供達の、どの子にも格別の輝きがあり、生きる目的と喜びとを見出す力がきっと備えられていることを信じて、粘り強く生徒に向き合う先生方のまなざしがとてもあたたかかった。