打ち砕かれた心に―マルコの福音書16章7節―

福音点字情報センター協力委員長
影山範文

「さあ行って、弟子たちとペテロに伝えなさい。『イエスは、あなたがたより先にガリラヤへ行かれます。前に言われたとおり、そこでお会いできます』と。」

主が十字架にかかられる前に、ほとんどの弟子たちは主を見捨てて逃げてしまいました。やっとのことで大祭司の中庭まで主についていったペテロも、「あなたもイエスと一緒にいましたね」と大祭司の召使いや他の人たちに言われて、怖くなり、3回も「知らない」と言ってしまったのです。主が「あなたは3回わたしを知らないと言います」と予告された時、「ほかのみんながつまずいても、私だけは大丈夫」と思った彼は、この主のことばを強く否定しました。それどころか、「死であろうと獄であろうと、どんなことがあっても、覚悟はできています」とまで豪語したのです。それは彼の本心だったでしょう。その彼が、いざというとき、主が最も彼の従順を必要としておられた十字架の直前に、主との関係を否定したのです。
主の予告どおり、彼が主を知らないと3度目に言ったとき、彼は激しく泣きました。彼はどんなに悔やみ、心が打ち砕かれたことでしょう。主はそんな彼を気遣って「弟子たちとペテロに」とあえて語られたのです。
取り返しのつかない失敗をしたペテロも弟子たちも、主に赦されました。そればかりか、弟子たちはその後のキリスト教会の主要なメンバーとなり、ペテロはヨハネと共に、その指導者となりました。主は私たちの償いようもない大きな罪を赦し、打ち砕かれた心を癒やして、ご自身の目的のために大きく用いようとしておられるのです。

点字図書、図書データ(BES版)案内

『いまを生きるあなたへ―神に招かれて』 安藤理恵子 著


点字版 全1巻
1,300円(BES版あり)
墨字版 1,430円

自分自身のこと、生きる意味などの問いをもち、葛藤し始める思春期。一人一人が神に造られたかけがえのない存在であると、子どもたちの「心の教育」を大事にしてきた玉川聖学院の毎朝の礼拝説教から、“いま”の時代を生きる若者に伝えたい「ことば」を収録。

「『私はこの私でよかった』と思えるような深い満足と感謝に至る人生に導こうとしておられる神がいます」というところに目が留まって買いました。つらいときに読みたいと思う本です。

17歳女性 愛読者カードより

会計報告2021年7月1日02022年1月31日
■収入の部

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