376 時代を見る眼 聖書通読の楽しさをあなたに〔1〕 聖書にも読み方がある

厚木福音自由教会牧師
清水 顕孝(かねたか)

 ある人が某神学校の先生に、聖書を通読するためのアドバイスを求めたそうです。すると、先生から「通読は気合でやるものだ」と教えられたと言います。おそらく多くのクリスチャンが、「通読は根気強く淡々と読むもの」と考えているのではないでしょうか。
 通読というと、創世記から黙示録までを順番に読んでいかなければならないと考えがちです。毎年の恒例行事のように、新しい年を迎えると聖書一読に挑戦する人を見かけます。出だしは順調なのですが、レビ記や申命記にさしかかると停滞してしまう人がほとんどです。
 期間にしておよそ4000年の歴史が集約されている旧約聖書と、イエス・キリストの誕生以降の100年を物語っている新約聖書を、最初から最後まで読むのは容易ではありません。古代中東の歴史と文化を背景に、聞きなれない言葉が多く使われているので、難しいと感じるのも当然です。困ったことに、難しいと思っていると通読もおっくうになってしまいます。
 実は、聖書にも読み方があるというのをご存じでしょうか。この読み方さえわかれば、うんと楽しく聖書を読めるようになります。何事もそうですが、やり方がわかったとたんに飛躍的に上達する人がいます。聖書も読み方を覚えると通読が楽しくなり、自然と続けられるようになります。
 その詳細は、筆者の著書『通読ガイド 歴史に沿って読めば聖書がわかる』(いのちのことば社、2021年)に記してありますので、興味のある方は、一度、手に取ってみてください。ここでは、もっとも重要なポイントをお伝えします。
 聖書に書かれているのは「イエス・キリストによる救い」です。この救いを、創造主なる生ける神が、イスラエルの歴史に登場する人物と契約を結びながら実現されました。キリストによる救いが成し遂げられるまでに、神はアブラハムやモーセ、ダビデと契約を結び、その約束にもとづいて救いのみわざを進められました。
 聖書の各巻には、神の契約が記されていて、その契約がキリストによって成就するさまが述べられています。なので、「イスラエルの歴史」と「神の契約」の2つの視点に的を絞って読むと、聖書の全体像を描きやすくなります。
 これから通読を始めようと思っている方は、この2つの視点を意識してみてください。うんと楽に読めるはずです。