特集 『聖書 新改訳』の魅力 それぞれの立場からの声

高校生伝道での霊的糧として
中村克哉
いのちのことば社出版の『高校生の居場所の作り方』(中尾祐子著、二〇一五年)の九〇頁に、インタビューという形で答えさせていただきましたが、私がhi-b.a.(高校生聖書伝道協会)のスタッフとして高校生伝道に携わっていた時、ディボーションの恵みを伝えることは、大切にしていた働きの一つです。
「No Bible, no breakfast(朝ごはんの前に聖書を)」と宣教師から伝えられてきました。みことばの全部を覚えて行えなくても、きょう与えられた霊的な糧を受けて生きる、という毎日の積み重ねが、「みことばに生きる」ことにつながると確信していたからです。
その働きの中で、宗教改革から五百年の二〇一七年に、『聖書 新改訳』がリニューアルされたことは大変喜ばしいことでした。hi-b.a.においても、現在牧師として仕えている教会においても、『聖書 新改訳2017』を使用し、新たな発見を受けています。
(日本長老教会 希望キリスト教会牧師)
 
みことばを歌う時に
宮脇栄子
私は楽曲制作をする時、ピアノの譜面台に聖書を置いています。幼い頃から使ってきたこの『聖書 新改訳』をもとに、たくさんの賛美が生まれてきました。心に響くみことばに曲をつけたり、聖書のある物語から浮かんでくる情景を歌詞にしたり、みことばからなぐさめられ、教えられた経験を歌詞にしたり。他の訳も味わいがあって好きですが、新改訳は特にわかりやすい言葉で心にスっと入ってくるので、いつも傍らにあります。
LYREのコンサートでみことばの曲を歌う時、神様の語りかけが迫ってきて思わず涙が込み上げてきたことが何回もありました。不自然さを感じない素晴らしい訳のおかげで、聖書の言葉を自分の信仰告白として心から歌えることは大きな喜びです。
(賛美グループLYREメンバー)
 
教会学校教案誌「成長」の働きで
中台孝雄
二〇一七年九月、いのちのことば社の理事会終了後に、出来上がったばかりの『聖書 新改訳2017』(以下「2017」)が印刷所から届きました。故・吉持章理事長(当時)がその場で聖書に手を置いて、感謝の祈りをなさいました。「2017」の完成に立ち会うことのできた幸いな瞬間でした。
「やがて多くの方々が、聖書を『2017』で親しむようになる。特に次世代の者たちが読み進める聖書となる。」そう感じながら、自分の高校時代に出版された「新改訳聖書・新約」(旧約完成は数年後)を初めて手にした時の感動を思い出しました。
現在、教案誌「成長」は「2017」をベースに作成されています。多くの教会で子どもたちは「2017」を通して神のことばに触れ、聖句を覚えています。教師・大人にとっては新しい翻訳で聖句を覚え直すことには苦労が伴いますが、「2017」が人生最初の聖書となる世代は、このわかりやすく、格調高い翻訳を通して、素直にみことばを吸収し、神の国の一員として成長していくことでしょう。
(「成長」編集長)
 
研究と学びの中で
小山田格
『聖書 新改訳2017』(以下「2017」)が出た時には、私は拙著『旧約聖書におけるキリスト』(いのちのことば社、二〇二四年)を著すために原稿をまとめているところでした。
聖書の預言の中にはメシア預言と呼ばれるものが多くあるのですが、創世記四九章一○節はその一つです。これまでの『聖書 新改訳』第3版では、一○節は次のように訳されています。「王権はユダを離れず、統治者の杖はその足の間を離れることはない。ついにはシロが来て、国々の民は彼に従う。」イスラエル人が待ち望んでいるメシアが、王としてユダ部族に生まれることが預言されている箇所で、「シロ」はメシアを表しており、人々は彼に従います。
私は「シロ」はメシアを表していると書くつもりでした。ところが「2017」では、一○節は次のように訳されています。「王権はユダを離れず、……ついには彼がシロに来て、諸国の民は彼に従う。」採用する写本の違いにより、王がシロという場所に来ると訳されています。
私は少しがっかりしたのですが、『聖書翻訳を語る「新改訳2017」何を、どう変えたのか』(新日本聖書刊行会編、いのちのことば社、二〇一九年)を見ると、「2017」を訳された方々が、本当にいろいろなことを配慮しながら訳しておられることがよくわかり、このシロはメシアを表すと書くことは控えることにしました。
今でも学び続けている箇所ですが、拙著を出す前に「2017」が発売されましたことを感謝しています。
(国際福音センター 東小金井チャペル牧師)
 
クリエイティブの現場で
朝岡識
私は現在、クリスチャンのクリエイターとして活動しています。教会や宣教団体、クリスチャン企業からのご依頼を受け、デザインや撮影などを行っていますが、この働きにおいて「みことば」の土台は必要不可欠です。
私が心がけていることは、「複数の聖書翻訳を比較する」ことです。私は原語で聖書を読むことはできませんが、多くの日本語訳や英語訳を読み比べることで、さまざまな発見があります。それによってみことばの理解が深まり、クライアントが持っている理念やミッションを理解することに役立ちます。
同時に、日々のディボーションや礼拝において使用する聖書として、『聖書 新改訳2017』の存在はとても大切です。わかりやすい日本語でありながら、必要以上の意訳がなく、他の翻訳と比べても良い意味で「標準的」だと感じます。
変わらないみことばの確かさと、翻訳の多様さが、私の働きを支えています。   (クリスチャンクリエイター)
 

愛読者カードから
◆新改訳の第2版を愛読してきたので、「2017」の新しい表現にとまどいを感じたりしますが慣れますね。とても分かりやすいです。(八十代・女性)
◆これまで、文語訳・口語訳・新共同訳・協会共同訳を持っていましたが、聖書の編さんの歴史を知って、対比したい思いで『聖書 新改訳2017』購入しました。和訳はちょっとした文のニュアンスでインパクトの度合が違うので、揃えてよかったと思います。
(七十代・女性)
◆文字が大きいので読みやすい。訳が分かりやすく、自然です。本文だけでなく、地図も見やすい。
(七十代・男性)
◆漢字にふりがながあり、訳文がストレートで読みやすく、子どもでも読むことができるのでありがたい! 子、孫にもと思い購入しました。まずは、聖書に触れる第一歩に、と思います。
(七十代・男性)
◆とにかく読みやすいです。みことばが心に入ってきます。感謝します。
(七十代・女性)
◆小学校二年生の娘へのクリスマスプレゼントとして購入しました。まだ理解できないと思いますが、そのうち読んでもらえればうれしいです。