書評books 栄光のゴール向かって進む 主の証人の伴走者となる聖書日課
保守バプテスト同盟 恵泉キリスト教会牧師 千田次郎
『苦しみの向こうに光あり 366日ディボーション』

 佐藤 彰 著
A6判・392頁
定価1,870円(税込)
いのちのことば社
一昨年の十二月、佐藤彰先生から、「百万人の福音」一月号の聖書日課「苦しみの向こうに光あり」のゲラ刷りが届きました。「来年一年間連載されることになったので祈っていただきたい」というお願いでした。その素晴らしい内容に感動し、すぐコピーし、教会のみなさんに配り、祈りの要請をしました。多く方々が感動し、ある方は一年間用いたいと「百万人の福音」を新たに購読されました。その一年分が単行本として出版されました。著者は、この本の「はじめに」で記します。
「『苦しみの向こうに光あり』は、二〇一一年、東日本大震災に遭遇した時に、私の口をついて出た独り言です。日々そのように唱え、自分に言い聞かせないと乗り切るのが難しい道のりでした。けれども震災に遭っても遭わなくても、私たちの人生には多くの苦しみがあります。それが理解できてもできなくても、ありのままそのまま受け止め、投げ出さず、それでも前進しようとしておられるすべての方に、この本を贈りたいです。……」
東日本大震災後の厳しい苦しみを受け入れ、主に選ばれた者として自覚し、世の光なる主イエスを見上げて生き抜き、その結果として豊かな実を結ばせてくださった復活の主イエスの証し集と言えます。
それは著者の個人としての証しと共に、「多くの証人たちが、雲のように私たちを取り巻いているのですから、私たちも、一切の重荷とまとわりつく罪を捨てて、自分の前に置かれている競走を、忍耐をもって走り続けようではありませんか。信仰の創始者であり完成者であるイエスから、目を離さないでいなさい」(へブル12・1、2)とある通り、試練の中を主の証人として生きた聖書中の人々、今日まで主の証人として生きた多くの人々が登場します。著者自身、これらの証人たちに励まされて歩んだ恵みの証しです。
主の証人である読者の、日々栄光のゴールに向かって進む伴走者となってくれる聖書日課と言えます。お薦めの一冊です。
 
					