新連載 ひきだしの中の信仰 第1回 you will be a blessing

イラストと ことば
林 くみこ

グラフィックデザイナー。「よきおとずれ」を運び、互いに祝福し合うために用いてください。という願いをこめて、聖書のメッセージやみことばからイメージしたイラストのポストカードをゆるゆる制作中。東京・奥多摩にあるクリスチャンキャンプ場・奥多摩福音の家スタッフ。

 

今月の聖句
そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。あなたは祝福となりなさい。

 

「あなたは祝福となりなさい。」創世記12章2節は、『聖書 新改訳2017』でこう改訳された。わたしは今も第3版を使っているので、礼拝の聖書朗読でこのことばを聞いてびっくりした。わたしがどのような者かではなく、そのことばで世界を創られた神さまが「祝福となりなさい」と宣言してくださる力強さに感動した。
同じ頃、コロナ禍で一人の時間が続いた時、ひとりでいることと共にいることについて考え、ディートリヒ・ボンヘッファーの著書『共に生きる生活』(新教出版社)を読み返した。そして「キリスト者は互いに救いのよきおとずれを持ち運ぶ者として出会う」という一文に目が留まった。会いに行くことができない中で、それはことばをかけ合うことでもできる気がして、ことばを通して出会うことを考えるきっかけになった。わたしたちは、たくさんのことばに出会っては、慰められ、励まされ、気づきを与えられる。その一つひとつの出来事を携えて、また他の誰かに出会う。それが“祝福となる”の一つのかたちかもしれない。
わたしはポストカード制作を信仰告白だととらえている。礼拝メッセージ、聖書のことば、読んだ本、友人との会話。日々いろいろなことばに出会いながら、ひきだしの中に納めていく。そうして、神のことば、信仰のことばを思い巡らし、問い、問われ、イメージした自分なりの応答だ。いくらかの、ひきだしの中にあることばとその絵を、分かち合うことができればと思う。