特集 日本伝道会議を知っていますか 「終わりから始まる」 第七回日本伝道会議のチャレンジ

第七回日本伝道会議 実行委員長 小平牧生

 

福音宣教は、イエス・キリストがご自分の教会に対して与えられた命令です。ですから、個人やそれぞれの教会が個別に取り組むだけではなく、私たちが全体として力をあわせて取り組むべき主の命令です。七年ごとに開催される日本伝道会議は、そのための会議です。準備に携わっている者の一人として、大切な鍵である一致、戦略、交わりについて記します。
一致を具体的に表すために
日本の教会の状況は、政治で言えば小党乱立、宣教の働きは、戦いで言うところの兵力分断の局地戦のようです。みんなそれぞれ一生懸命ですが、どうもバラバラな感じがします。主のからだである各部分が全体の目標を共有して、それぞれに委ねられたものが互いにうまく組み合わされ、与えられている思いや賜物が十分に発揮できているとは、必ずしも言えないような、そんな状況に思えますが、どうでしょうか。
日本のクリスチャンは人口の一%だと言われますが、同じ一%でも、一つとなって機能している一%には力があります。教派が違い、伝統も違い、民族や文化も違い、あるいは言葉や世代も異なる私たちが、「終わり」すなわち「完成」を目ざして、からだ全体の各部分の働きが生かされるなら、私たちの思いを超えた状況が開かれてくると思うのです。
日本伝道会議は、今から四十九年前に「日本をキリストへ」という標語のもとに第一回会議が行われました。その後、第五回会議からは七年ごとの定期開催となりました。それは、働きが進んでいてもそうでなくても、社会の環境がどう変化しようとも、私たちの主にある一致が保たれ、宣教の具体的な働きが進んでいるかを評価して、修正を加え、態勢を整えて、さらに前に向かって取り組みを進めていくためです。
さらに今回の伝道会議では、これまでとは異なり、各団体が「協力団体」として登録し、参加者を派遣するかたちとなりました。それによって、これが多くの参加者が与えられ、心が燃やされるための宣教大会ではなく、教団や団体が参加者を送ることによって宣教協力に対してコミットし、次の伝道会議に向かう七年間の目標に対する責任を共有します。
最初は日本福音同盟の主催で始まった会議ですが、今回は日本福音同盟の加盟・非加盟を超えて二百以上の団体が協力団体として登録されています。会場の長良川国際会議場に集まる参加者は千数百人ですが、その背後には多くの教会、団体、そして人々と働きがあり、それらすべてが福音宣教のために一つとなっていく姿を覚えて胸が踊ります。
戦略を共有するために
福音宣教には私たちの信仰と献身が求められていることは言うまでもありません。しかし先に述べたような長い間の局地戦のような働きの結果、全般的に疲れや失望が覆っていることも事実です。
かつて諸教会が協力しなければ大きなことができなかった時代には盛んな協力が行われましたが、やがて教団や教会が独自で行えるようになると協力が薄れてきました。そして、今や再び協力しなければ存続し得ない状況だと叫ばれています。
しかし、私たちが目ざすのは、自分の教会や教団のために役に立つことには協力するというのではなくて、からだの各部分がお互いになくてはならない関係として、相互に依存する協力関係です。コロナ禍の経験をも活かしながら、日本宣教の戦略を共有していく会議となることを期待しています。
そのために振り返って考えたいのですが、P・F・ドラッカーが『非営利組織の経営』(ダイアモンド社)において、教会も含めて使命によって立つ非営利機関では、「正しいことをしている」という確信が、「正しくしているか」を問うことを妨げている状況に陥りやすいと指摘しています。
私たちはどうでしょうか。お互いの教会や教団は、それぞれの伝統に立って「正しいことをしている」のですが、しかし現実にはその働きや運営はあまりにも効率の悪いものとなり、主から委ねられた多くの賜物が内部消費されて外に向いていかない状況になってはいないでしょうか。
何かを始めることには大きな労力が必要ですが、続けられてきたことをやめることはさらに大変です。しかし、思い切って変えましょう。それがこの時代に生かされた私たちの務めではないでしょうか。そして、教団教派という縦軸を大切にしながら、そこに地域や宣教団体という横軸を組み合わせた宣教のネットワークとインフラを構築していくような、宣教の戦略を共有しましょう。
交わりを育もう
優れた質の高い働きを目ざそうとするならば、リーダーをはじめ私たちの交わりの質が問われます。日本伝道会議には、大きく強いことを誇ったりするような成功体験のケーススタディはありません。むしろ、お互いの労苦奮闘の姿をともに分かち合い、教会に仕える私たち一人一人が互いにつながって一つのからだであることを感じることができる、そのような交わりを計画しています。
また、準備の段階においても、立場や経験のあるリーダーが前面に出るのではなく、世代を超えたフラットな関係で準備をしています。そしてそのようなあり方が日本の教会の姿となっていくのです。
また、国外の日本語教会と国内の教会の相互の交わりを築いていくための「グローバル・ジャパニーズ・クリスチャン・フォーラム(GJCF)」が第六回会議に続いて開催され、国内の外国語教会と日本の教会の出会いの機会をつくるための「グローバルナイト」が新しく開催されます。
すべてのプログラムを通して、お互いの分かち合いの中に主の恵みを覚え、励ましと力を得て新たに遣わされ、遣わされた地において新たな交わりが生み出されることを目標としています。これを読んでくださった方も、日本伝道会議の目ざす働きの参加者であることを覚えて、祈り支えてくださるようにお願いします。