書評 Books 神様に愛され委ねて生きた 三十三年の真実な生涯

聖学院中高・副校長/日本キリスト教団・越谷教会員 清水広幸

『なぜ君は
笑顔でいられたの?
福本峻平 神と人とに愛されたその生涯』
「福本峻平の本」制作委員会 編
四六判・定価1,760円(税込)
フォレストブックス

聖学院中学校に入学した福本さんは、入学式の礼拝で初めて聖書のことばと出合い、やがて教会に通うようになります。音楽部で活躍し、楽しい学校生活を送っていた中学三年時、身体に違和感を覚え、検査入院します。難病のために病名が判明するまでに十年の歳月が必要でした。中高生の時代は多くの生徒が、思春期特有の課題を抱え悩みの多い難しい年頃です。どれほど深い不安や恐怖を覚えたことかと想像します。
彼は病院のベッドの上で神様と共に歩む決意をし、高校二年生の夏に洗礼を受けます。「神様はいつもそばにいてくださり、僕の人生を整えてくださっており、僕が悪いことをしたり、誰かといざこざを起こしたときには、神様が僕の代わりに罪を負ってくださっていることを知りました。」神様にお委ねする決心でした。
青山学院大学ではキリスト者メンバーらにも恵まれ、信仰の仲間たちと祈り合い、生きるために気管切開し、声を失う等の苦難を乗り越えます。三十一回にも及ぶ入院生活で病気との闘いでしたが、ひたすら神様を信じ委ね、賜物を精一杯用いる生き方をしました。伝道のためには飛行機で地方にまで出かける姿には励まされます。
三十一歳の時、指の力もほとんどない状況でキーボードで伝えたお母さんへの言葉、「うんでくれてありがとうございます」には涙があふれました。福本さんにしかできないこと、それは関わってくださったご両親や友人、そして介助者や医師・看護師にも「じぶんにはえがおしかできない」と生きる喜びと感謝を伝えることでした。
ライターの高井透氏により、福本峻平さんの三十三年の真実な生涯が、神様と人に愛されたことであると丁寧な言葉と写真等で語られています。
私たちの人生には、なぜ? どうして? と思うようなことが降りかかります。神様に愛され委ねて生きた福本さんの人生の証しを、ぜひお読みいただきたいと思います。