リレー連載  牧師の趣味 木工

巣鴨聖泉キリスト教会
小嶋 崇

 

木工を趣味とするようになったきっかけは、留学中の身の回りの整理でした。本棚が必要だったので、最初は板とブロックの組み合わせで間に合わせていました。帰国してからも牧師の書斎に必要な本棚のために、板を切っては、適当に棚になるよう組み立てて使っていました。

そのうち、木工の道具に興味を持つようになりました。実は骨董市に出かけるのも趣味にしていたのですが、引退する大工さんが処分したであろう古道具などが安く出回っていました。(大工さんの現場も電動工具が多く使われるようになり、手工具にとって代わるようになったからだと思います。)刃が錆びていたり状態が良くなかったり、そんな鉋や鑿を買い集めては、刃を砥ぎ直し、台を仕立て直し、もう一度道具として使えるように再生するのを面白がっていました。

道具と同時に、木材にも興味を持つようになりました。新木場の材木店の方と懇意になって、銀杏やケヤキ、桜やトチノキ、ヒノキや杉など、いろいろな樹種の板を買い集めました。ヤフオクで購入した木材もたくさんあります。

道具や木材が揃ってくると、作るものは机や台など家具のような難度の高いものに移行していきました。

最初は、部屋の外の廊下みたいな所で作業していました。次第にアパートの部屋を工房に改造したりしてレベルアップしていきました。今では小さいながら、工房を構えています。

昨年注文があり、ステンドグラスの入った引戸を作成しました。戸のフレーム(框)は杉材ですが、その他の部分には青森ヒバや栴檀が使われています。鑿でほぞ穴を掘ったり、際ガンナで溝に入る部分をシュシュと削ったり、自分で砥いだ刃の切れ味を確かめながら、手工具を使ってゆっくり楽しみながら加工するのが、趣味の木工の醍醐味ですね。

巣鴨聖泉キリスト教会
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