書評Books 自分の人生を生きるために必要なこと

キリスト伝道隊・国内宣教師 大塩英子

『情緒的に健康な女性をめざして
自分の人生を生きるために、やめるべき8つのこと』
ジェリ・スキャゼロ 著
鈴木敦子 訳
B6判・定価1,980円(税込)
いのちのことば社

『情緒的に健康な女性をめざして』が出版されると知ったとき、期待に胸を弾ませました。内容を知る前から、「この本で読書会をしよう!」と決意したほどです。『情緒的に健康な教会をめざして』『情緒的に健康なリーダー・信徒をめざして』に続く、情緒的シリーズ第三弾である本作への私の期待は、それほどまでに高かったのです。

情緒的シリーズ一、二作の著者は、ニューヨーク市にあるニューライフ教会の主任牧師であるピーター・スキャゼロ師、そしてシリーズ三作目となるこの本の著者は、ピーター師の妻であるジェリ師です。ピーター師は、著書の中で自らの内面の葛藤とその体験を赤裸々に告白しており、その正直さに驚き感動していました。この本では、同じエピソードがジェリ師の視点と立場で語られます。感情と内面の葛藤が夫婦や家族の日常に起こる出来事とともに語られ、彼女が経験した痛みと苦しみが伝わってきます。

同時に、彼女が語ることにより、ピーター師が語った内容が補完され、情緒を適切に取り扱うことの大切さが補強されるのです。ジェリ師は、8つのやめるべきことを提案し、読者が自分の人生を生きられるように、証しを通してガイドしてくれます。

とはいえ、「やめること」の旅路は生やさしいものではありません。読者は、勇気を持って自分自身のやめるべきこと、本当の課題に向き合ったとき、「やめること」の難しさに直面することでしょう。私自身がそうでした。ですから著者は、ひとりで実践するのではなく、この本をスモールグループで学ぶことと、賢明で経験豊かなメンターを見つけ、頼ることを勧めています。

8つのやめるべきことに向き合うのは、本当の自分として自分らしく生きることへの大いなるチャレンジです。性別を問わず、自分らしく生きたいと願うすべての人が、この本から学ぶことができます。「やめること」は終わりではなく、自分の人生を生きるための新しい始まり。その先には、神の備えられた復活の希望があることも教えてくれる一冊です。