書評Books 一緒に考え、悩みに寄り添う一冊

日本同盟基督教団・多治見中央キリスト教会 牧師 山本陽一郎

もう、ボロボロになってしまいました。本棚にある、二〇〇四年発行の『それってどうなの!?』のことです。オレンジ色の小さな表紙を、私自身、これまで何度めくってきたかわかりません。
今回、その新版『新・それってどうなの!?』が発行されます。超朗報です。若い皆さんと一緒に「ちょっと聞きづらいことや、口に出すのが恥ずかしいこと」を考え、悩みに寄り添う、こんな本が必要なんです。

変わり続ける時代の中で、いつも高校生たちと接し続けてきたhi-b.a.。前書から十七年が経ち、ティーンズを取り巻く状況や課題はさらに複雑化しています。

それを反映するように、本書のページ数は約一・五倍に増えました。Q&A形式で二、三ページごとに短くまとめられている内容は非常に具体的です。「友だちのSNSの投稿が気になってしまう」「友だちに伝道したいけど、気まずくなったらどうしよう」「キャンプから帰ると冷めてしまう」……というように、人間関係、性のこと、教会、聖書、伝道など。きっと多くの人が気になるさまざまなテーマが取り上げられています。

答えていくのは「フミボン」と「リュウボン」の二人。ユルさと熱さのバランスが絶妙です。「とても大切なことは、みこころの人を探すことより、自分がみこころの人として生きること」(本文四三頁)という言葉には、はっとさせられました。「あなたがいる教会に偶然に置かれているのではありません」(五八頁)……そうだよね。「傷に潜ることをやめて、神のもとに行こう。共に癒しを受け取ろう」(一〇七頁)では、思わず、涙。

どのテーマでも、聖書の言葉が太字で記されています。本書はきっと、ティーンズの皆さんがみことばに歩む助けになるでしょう。また、若い世代と関わる方々にとっても、理解や接し方、対話のヒントになることと思います。

ピカピカのこの黄緑色の表紙も、きっとまたボロボロになっていくでしょう。多くの人に読まれることを願います。


『新・それってどうなの!? Q&A 高校生クリスチャン・ライフ篇」
hi-b.a.
高校生聖書伝道協会 編
B6変型判・定価1,100円(税込)
いのちのことば社