314 時代を見る眼 コロナ禍の現場から〈2〉エクレシアとしてのミッションスクール―コロナ禍における使命の確認

大阪女学院中学校 教頭 山崎哲嗣

 

注視していた海外ニュースが、2月早々現実味を帯びてきました。近年インバウンドが増えた大阪では、感染拡大は避けられないと準備を開始。2月下旬に今後の対応を周知し、その後、臨時休校は6月半ばまで続きました。

本校は、危機の内容と段階で区分けした対応計画を作成しています。今回はSARS等の感染症の対応に準拠しました。学校の危機管理の優先順位は、生徒・スタッフの安全、学びの保障、事業の継続です。

安全面 まず生徒の健康調査。他校では再開時に分散登校にしたところもありますが、本校は広域通学の生徒を鑑み、休校を延長。教職員も原則リモートワークで、出勤する必要がある場合も10~16時に限り、かつ事前許可制としました。また、勤務過剰防止のため、17時以降の通信は禁止しました。

学びの保障 一部運用していたオンラインシステムを急ピッチで全校向けに構築しました。各家庭のインフラを調査して端末を貸し出し、クラウドを生徒・教職員で共有して、授業や連絡を配信。動画は生徒の疲労を考え、20分以内に。定期試験を中止して観点別評価を行い、1学期の当初予定を終えて、26日間の夏休みを確保できました。他校より長めですが、良いパフォーマンスには休息が必要です。

事業の継続 学院財源と補助金などを投入、物的資源(インフラ、システム、デバイス)に加え、前年度に採用したシステム管理者の人的資源が功を奏しました。業務の整理・廃止・変更・改善、慣例的に行われてきたことを疑い、ムダを省いて質を高めることを進めました。

今後も課題はありますし、状況がどう変化するか不明ですが、改めて「学校とは」と本質を振り返りました。

学校とは「場の共有」です。多様な交わりの中で気づき、共生、創造が生まれます。私の授業はライブ配信で行いましたが、やはり教室と勝手が違いました。互いの「息づかい」を感じるなかで、それぞれの「賜物」が用いられてきたのだと痛感しました。

ミッションスクールはエクレシア(召し出された者の集まり)であり、真の校長はイエス・キリストです。各自が頭とつながることで「体」が維持されます。

オンライン化は、まずイースターに間に合わせ、礼拝配信から始めました。私たちのミッションは、場に働く神の力を受けて、地の塩・世の光として外へ向かうダイナミクスだと再確認しています。