特集 心に刻む聖書 聖書は毎日読むべき?

特集 心に刻む聖書

一年の始まりに「今年こそ聖書に親しもう!」と決意するも、どう取り組めばいいのか、ひとりで読んでもわからない、という方々に、聖書に親しむ助けとなる本をご紹介します。
新しい一年、聖書とともに歩んでみませんか?

聖書は毎日読むべき? 日本基督教団牧師  鈴木崇巨

聖書は、なんて長い読み物なのでしょうか。毎日一章ずつ読んでも、全部で千百八十九章ありますから、全部を読みきるために三年二か月もかかります。それほど月日が経つと、最初に読んだところに何が書いてあったかを忘れてしまいます。
それで、私は旧約聖書の「歴史書五章」「文学書五章」「預言書五章」、新約聖書の「福音書二章」「使徒書二章」計二十二章を毎日読むようになりました。毎日二時間以上かかります。
ことわっておきますが、私は一つの教会の牧師をしていましたので、一日の予定は自分で立てることができました。計算上は二か月で一度、聖書を全部読むことができることになります。しかし、いろいろ都合があって三か月くらいかかりました。約十年ほど続きました。もう一つことわっておきますが、私は聖書のことをあまり知らない牧師だったのです。それで、どうしても聖書をきちんと読まなくてはならなかったのです。おかげで、聖書を全体的に少しわかるようになりました。
クリスチャンは、毎日聖書を読むべきでしょうか。聖書には「読むべし」とは書かれていません。ですから、毎日読んでいない方は、どうぞご安心ください。読まなくてもいいのです。ただし、聖書は「毎週礼拝に出なさい」(レビ23・3参照)と教えていますから、クリスチャンは毎週教会の礼拝には出席してください。礼拝では必ず聖書が読まれます。その箇所を信仰の糧にして心に刻み、毎日思い出しておけば、あなたは立派なクリスチャンです。
もし、あなたが聖書をもう少し勉強したいと思ったら、聖書そのものを読むことをお勧めします。毎日三章くらい読み、プラス「詩篇」を一篇「祈り」として読まれるとよいかもしれません。一年で聖書を読みきることができるからです。三年ほど続けると、少し聖書がわかるようになるかもしれません。なぜなら、毎週、礼拝に出席し説教を聴いているからです。聖書を読むことと、説教を聴くことが相乗効果をもたらしてくれるからです。
もし、あなたに経済的な余裕があれば、聖書の「辞典」を一冊持つと便利です。若い人で英語の読める人は、もっと詳しい辞典を参考にするとよいかもしれません。いえいえ、今は「スマホ」という強い味方があります。それで検索エンジンを活用するのも一案です。私は「スマホ」がなじまなくて、もうボロボロになった日本語と英語の辞典を今も愛用しています。辞典は大いに助けになります。一つのことがわかると、枝分かれのように三つ四つのことがわかるようになります。「みことばの戸が開くと 光が差し」(詩篇一一九・一三〇)という聖句は本当です。
今、世界では、聖書がものすごく読まれています。人類は神の声を聴くことに飢えています。人類史上いまだかつてなかったほどです。幸いなことに、世界中で聖書をわかりやすくしようという努力がなされています。『1年で聖書を読破する。』(拙著、いのちのことば社)という本も、そのような世界的な流れの中にあるような気がします。ハレルヤ!