試聴DVD 『夜明けの祈り』

DVD『夜明けの祈り』

単品 3,800円(49091)
**クリスチャンパック**
セット特価 5,800円(49092)
DVD『アメイジング・ジャーニー 神の小屋』
先行発売…3月2日予定
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別途上映代が必要です。

ビサイドチャーチ東京 牧師 波多 康

本作品は、実在するフランス人女医の手記を手掛かりに制作された。フランス映画界の最も権威あるセザール賞の二〇一七年、作品・監督・脚本・撮影賞にノミネートされ、またフランス映画祭(日本で開催)のエールフランス観客賞を受賞した話題作だ。第二次大戦終結直後、一九四五年十二月、赤十字の医療活動に従事するマチルドは、フランス人負傷兵を自国に帰還させるためにポーランドに派遣されていた。ある日ポーランド人のシスターが駆け込んできて、病人を助けてほしいと訴えてきた。管轄外と断るが、シスターの祈る姿に心打たれ、町から遠い修道院に出向く。病人とは産気づくシスターだった。大戦末期、敗走したドイツ軍にかわり占領したソ連軍兵士に暴行され、七人のシスターが妊娠していた。
子を宿すシスターと胎児の命を助けようと、激務の合間を縫い危険を顧みず修道院に通いシスターたちに寄り添うマチルド。神が助けの手を差し伸べず、沈黙しているかに見える状況に困惑するシスターたち。次第にシスターたちが、信仰も揺らぎ苦悩する心の内をマチルドに打ち明け始める。神に仕える者のマインドをも狂わせ、聖書を土台とした正義と悪の境をも見失わせる戦争の悲劇、「魂の殺人」と言われる性的暴力の悲惨さ、それらの根底にある人間の罪の現実を、リアルな戦闘や暴力のシーンもなく淡々と、しかし如実に描き出していく。マチルドが自国に帰国する直前、彼女の一つの提案が修道院に希望をもたらす。その後、帰国したマチルドのもとにシスターから手紙が届く。「暗い雲は消えさって空には太陽が輝いている。……苦しいときも神とともに。喜びに包まれますように。」
この映画は、一言で言えば、深い闇に差し込む一筋の主の救いの光を見るような映画と言えるだろうか。希望も解決も見えず一筋縄ではいかない人間の罪から起こる不条理な出来事のただ中で、見えざる主の正義の御手は確実に働いており、主に信頼し続けるとき、最後には主が平安・希望・将来へ導いてくださる、そうしたメッセージが根底に流れている映画のように感じた。