羊毛に関わる小さなお話 第10回  お空の牧場

羊毛フェルト作家  泉谷千賀子

 

青い空に、モコモコとした羊雲が浮かぶころとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

小さな雲片が群れをなしているのを見ると、秋を感じます。うろこ雲は、羊雲よりもさらに上空にできる小さな雲の集まりです。現れる雲により、海にも牧場にもなる空を、愉しみながら見上げています。私はどれかなぁ…最後尾の小さな一片でしょうか。

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以前、飛行機に乗って、羊雲を突き抜ける体験をしました。窓側の席でしたので、数秒間、群れの中の一匹になりました。辺り一面羊たちです。たくさんの仲間とともにいることに安らぎを感じました。そして、もし群れの中から一匹が迷い出たときに、果たして私は気づくことができるでしょうか……という不思議な気持ちになりました。小さな弱い一匹を、常に見守り続けていてくださる神様の計り知れない深い愛を感じました。

さて今月は、豊かに実った田んぼを訪れたロバ君の登場です。なんと見事な黄金の穂波でしょう。

 

「目を上げて畑を見なさい。色づいて、刈り入れるばかりになっています。」(ヨハネ4・35)

 

明日はどんな雲かしら。

では、また来月、ほっこりとお目にかかれますように。