特集 聖書を知らせたい!―日本人に届くバイブル・ラーニング ちょっと変わった聖書への導入書

バイブル・ラーニング編集担当 砂原俊幸

今夏、バイブル・ラーニング・プロジェクトの第一弾として『聖書ガイドMOOK』を発行しました。これは、雑誌と本の中間のような体裁で、冒頭では、聖書と現代社会のつながりを視覚的に感じ取っていただくことを目指して構成しています。また、本誌中盤では、個性的な聖書の登場人物たちを紹介しています。
読者対象は、聖書に関心はあっても、まだ信じていない方を想定しているので、神を信じている人間の視点ではなく、あくまで「聖書には、こう記されています」という形で伝えることを基本にしています。
また本書では、聖書が伝える要素の柱である、罪、救い、贖い、裁き、神の愛などをさまざまな記事に混ぜ込んで伝えています。教科書や辞典のような理路整然とした内容ではありませんが、テレビのバラエティー番組に慣れ親しみ、スマホで短い情報を次々流し読む現代人の感覚に近いスタイルにしてみました。
また、導入に当たる第一部では、現代人が興味を持つであろう切り口をあえて提示しました。例えば、「世界の終わりの前兆」や、「日本人が信じているものって?」などです。また、歴史好きの方の興味をそそるよう「古代日本とヘブライ文化」の比較も掲載してみました。
中東文化圏にあるイスラエルで生まれた聖書は、その後、世界各国の文化にうまく適応し、その土地の文化をうまく取り込みながら広まっていきました。クリスマスがヨーロッパの冬至の祭りを取り入れたことは有名ですし、南米ではどこかマヤ文明の伝統を感じさせる祭りが教会行事として行われています。もちろん、本質において不変であることは必ず守るべきことです。
日本では、こうした伝統文化の上手な取り込みが遅れています。本書では、今の日本人が関心を持ち、求めていると思われるテーマを導入口として、その心を開き、聖書の言葉を注いていきたいと願っています。

本書アドバイザー 東北中央教会 牧師 永井信義
企画段階からノンクリスチャンの方々に届くような内容を模索し、完成まで導かれたこと、そして、まだ聖書を読んだことのない人にも興味を持ってもらえるような書籍の出版にかかわる機会が与えられたこと、本当に感謝です。
専門家からの視点ではなく、できるだけ聖書に触れたことのない人の目線で、その魅力を伝えようとしているユニークな本となりました。聖書をより身近に感じていただける内容で、読者には「次は聖書」と進んでいただけると思います。
今後、「人生の問題への答えを聖書に見つける」とか「文学、映画、マンガの中に見られる聖書のことばや価値観」、また、「聖書に流れる大きな物語の解説」など、今回の視点で作られる一冊を期待しています。

第1部 意外に身近な聖書の世界
世界中の言語で訳されてきた聖書/ニッポンの大都市・東京で聖書の言葉探訪!/世界三大宗教比較図/日本人が信じているものって?/聖書で終活/聖書と科学は相入れない?/古今東西聖書はネタ帳/映画にせずにはいられない!?/古代日本とヘブライ文化/ローマ字の生みの親・ヘボン/イエスを指し示す旧約聖書の預言/世界の終わりの前兆/マンガ◆神とたきぎ/【コラム】聖書由来のことわざ

第2部 強烈な個性の持ち主ばかり
「聖書の登場人物」
最初の人間・アダム/信仰の父・アブラハム/神とレスリングをした男・ヤコブ/奴隷から宰相になったヨセフ/口下手のリーダー・モーセ/栄光と挫折のイスラエル王・ダビデ/不条理の向こうに神を見たヨブ/預言を断わった預言者・ヨナ/イスラエル暗黒時代をただしたエレミヤ/マリヤはできちゃった婚だった!?/初代教会の育ての親・パウロ/マンガ◆善きサマリヤ人/マンガ◆借金を許されたしもべ/【コラム】イスラエル12部族について

3部 聖書雑学アラカルト
世界は7日で造られた!?/ノアの箱舟・大洪水はなぜ起きた?/人の寿命はかつて数百年だった?/かつて世界は1つの言語だった/三位一体の語源は聖書/似て非なる「預言」と「予言」/イスラエルは国名にして国名にあらず/聖書に書き残された奇跡/礼拝ってどんなこと?/神が人に与えた戒めの土台・十戒/戦国時代のキリシタン/マンガ◆放蕩息子/聖書が示す「救い」って?/聖書と関連図書