What’s New 路上ライブは現代の路傍伝道!?
神山みさ、Samuelleそしてヤマモトカオリ

礒川道夫
ライフ・クリエイション ディレクター

「みなさん、愛とは、自分の最も大事なものを人にやってしまうことであります」と始まるのは、三浦綾子の小説『塩狩峠』(新潮社1968年)の伊木一馬伝道師の路傍伝道のシーン。雪がしんしんと降る北海道で、だれも聞いていない道ばたで語る彼に、子どもたちが「ヤソだ」と雪玉を投げつける、映画でも感動的なシーンだ。
現在の日本では、「路傍伝道」は死語になってしまっているかもしれない。ところが、若いクリスチャンアーティストたちは、路上ライブに挑戦している。昨年メジャーデビューした神山みさ、身近な韓流アーティストとして活躍するSamuelleも原点は路上ライブである。直接的に福音を語ることはできないかもしれないが、歌やトークの端々にキリストの香りを放っている。
そして今回、ライフ・クリエイションがサポートしたのは、ゴスペルの第一人者ラニー・ラッカーの指導を受けたヤマモトカオリだ。最初に彼女に出会ったのは、仙台での2012年「フランクリン・グラハム 東北希望の祭典」。オープンニングアクトとしてカーク・フランクリンやスーパー・ジュニアのチェ・シウォンの前に歌ったためか、ガチガチに緊張していた姿だけが頭に残っている。
「今度CDを出すことになりました」と、ひょんな再会があり、オリジナル曲を聴いた。メロディは心に留まるのだが、何かピンと来なく、ジャケットもいまいちだった。路上で歌い続けていることは知っていたので、なぜか応援したくなって人肌脱ぐことになった。今回のアレンジは、Samuelleのアルバムでも、いつもこれだと言わせるアレンジをしてくれるリッキーが担当し、ヤマモトカオリサウンドの良さを引き出してくれている。メジャーアーティストの写真を撮り続ける石黒ミカコが、本人もびっくりのクールなスチール写真を撮ってくれ、ジャケットデザインは定評あるCreative Sohoアサフが制作して、最高の布陣で作り上げたのが、CD「Love St. 願い」だ。「約束の虹」「ことば」「願い」など、彼女のオリジナル曲を聴いていただければ、あなたもラブストリートで歌う彼女の前に思わず立ち止まってしまうだろう。そしてこのCDが、一人歩きをしていくことを願っている。(敬称略)

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