NEWS VIEWS FACES 現代賛美による国分友里恵コンサート

礒川道夫
ライフ・エンターテイメント チーフ・プロデューサー

伝統と現代の融合

 5月27日(金)、国分友里恵の新作CD「Steal Away-イエスの愛に抱かれてゆこう-」の発売を記念してコンサートが行われた。場所はあの東京大学まで至近距離の西片町教会で、不思議なことにそこは東京大空襲にも守られ、時代を経た重厚な色合いのステンドグラスと荘厳なパイプオルガンの置かれた、そして今回のCDジャケットにもなった由緒ある教会堂だ。

 当日は夕刻の開場前から一人、また一人と熱心な国分友里恵ファンが集まり始め、遠く首都圏外からも聞きつけた人々で、130人は座れる歴史の跡が刻まれた礼拝堂のベンチはついに満席になった。

 コンサートが始まると、トラディショナルな賛美歌を現代の言葉で届ける国分友里恵の響き渡る歌声と、岩本正樹の絶妙にアレンジされたピアノ演奏、齋藤昇の美しいサックスの音色に、参加者は静かに引き込まれていった……。賛美歌の素晴らしさをたっぷりと味わったあっという間の90分であったが、温もりのある礼拝堂は賛美の歌声と主の臨在に包まれ、まるで天の御国を垣間見たひとときであった。

 さて今回発売のCD「Steal Away」はTraditional Hymns vol.3で、国分友里恵と岩本正樹は以前から伝統的な賛美歌の歌詞が、表現の素晴らしさやその響きが良くても「げに」「あらじかし」などクリスチャンでもその言葉の意味を十分理解しないで歌っている場合が多いことを残念に思っていた。

 そして歌詞が古い言葉でよく分からないという理由で良い賛美歌のメロディーさえも埋もれてしまう現実に、何とかして分かりやすくて良い作品を次世代に残していくのは自分たちの責任でもあるとのビジョンを示されてきた。そんな思いの中で2003年から「現代賛美歌」として作り始め、同年発売した「Nobody Knows -イエスだけが知っている-」に続くアルバムが今回発売された「Steal Away-イエスの愛に抱かれてゆこう-」である。

 またそれら二つのアルバムに収録されている賛美歌に、誰もが知っているクリスマスの賛美歌を加え全28曲を掲載した楽譜「現代賛美歌vol.1」も同時発売された。

 まずは一度音を聴いていただき、楽譜を手に取って歌っていただきたい。この現代賛美歌の恵みは、聴く人に、そして歌う人に必ず届けられると確信している。

 今回のCD発売記念コンサートをスタートに、これから多くの教会で、いや日本中の教会やクリスチャンたちの間で、伝統的な賛美歌を「現代の言葉で歌える賛美歌」として主をほめたたえ、そしてわかりやすい言葉で家族に友達に知人に、イエス様の素晴らしさを伝えていけたらどんなに素敵なことだろうか。そして傷ついた多くの魂に、イエス様の愛に抱かれて歩むことの幸いを伝えていきたい。