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ボブ・ウィーランド 日本ミッションツアー タートルマラソン 7時間21分完走!

両腕で5キロメートルを完走したボブ・ウィーランドさん
両腕で5キロメートルを完走したボブ・ウィーランドさん

 ベトナム戦争のときに地雷で両脚を失い、治療のために座間キャンプに運び込まれたボブ・ウィーランドが、今度は日本人に元気を与えるために、2002年9月14日、日本に来日した。彼は両脚を失った後も、ウェイトリフティングで世界新記録を出したにも関わらず、靴を履いてないという理由で失格。「神は新しい扉を開けてからしか、古い扉を閉められない」と信じ、アメリカを両腕で3年8ヶ月かかって横断した男だ。

 今回アメリカを立つ直前まで、5000人規模の大きな大会で講演をしていて、何と予定の飛行機に乗れなかった。「ネバー・ギブアップ」彼は他の航空会社に交渉。1時間30分遅れだったが成田に到着。さらに東京は渋滞。宿泊のホテルには深夜近くにチェックイン。ベットに入ったのは12時を回っていた。

 その彼が翌日、早朝5時に荒川河川敷にいた。タートルマラソン5キロメートルに出場するために、一般のランナーより5時間早くスタートしないと、時間内にゴール出来ないからだ。5時15分、薄暗い中たった一人のスタート。空は雨曇。これも祈りの結果だと後で聞いた。何しろ、東京はその前の週まで暑い真夏日、ロサンゼルスで新聞を見て日本の気温の高さに、当日涼しくなるように祈っていたという。両腕で歩くマラソンに出場するのも、ひさしぶりだという。なぜそこまでして日本に来たのか。

 山本真美子氏(チョーズン・ピープル・ミニストリー宣教師)は、ロサンゼルスで彼の証しを聞いて、何とか日本人に彼を紹介したいと思った。日本に行くには、名目が必要、話題も必要。そこでいろいろなマラソン大会に、参加を打診したが、よい返事はもらえなかった。日本タートル協会の高柳正樹理事が15年前ニューヨークマラソンに参加した彼を覚えていて、参加が認められ、その後スポンサーも次々与えられた。

連日の講演会で力強くメッセージする
連日の講演会で力強くメッセージする

 数歩進むごとに止まるボブ。「心拍数が160を超えると危険なんだ、腕で5キロ歩くことは、(健常者が)40キロ歩くことに相当するんだよ」午前9時45分、開会式に出席するために、一度スタート地点にもどった。思ったより大変だと感じた日本タートル協会の関係者は、心配して「もうやめてもいいです」と話しかけたが、彼は「ネバー・ギブアップ」、再スタートをきった。そして7時間21分、すべてのランナーがゴールした後に、大歓声の中、ゴールテープを切った。

 なぜそこまでして日本に来て走ったのか。翌日からもたれたインタビュー、連日の講演会で彼は語った。「神に信頼すれば、決して失望することはない。生きることこそ人生を楽しむ秘訣だ」これを伝えに来たのだ。