CD Review ◆ CD評 世代を超えた素晴らしい詩と音楽の花


紫園香
フルート奏者、音楽伝道師

まるで花が咲いたようだ。
詩とメロディーが一体となった命の花が。
星野富弘氏の花の絵は、根っこを感じさせる。大地の養分をしっかりと吸い上げて、与えられたいのちいっぱいに静かに咲く花。根本まで描かれていなくても、たとえそれが切り花であっても、その花がどのような養分を吸って咲いているのかがわかる。今回のCDのために、富弘さんの詩に心動かされた若い世代のアーティストたちが、それぞれ作曲している。Rainbow Music Japan(佐々木静・潤)、Migiwa、Samuelle、TAKEO、大宮香織。CDの中には富弘氏の詩画八枚のポストカードも付いており、素敵な企画となっている。プレゼントにも最適だ。
富弘氏の詩画は、行間や余韻に、その味わいが凝縮されている。そして沈黙の中で花の心と一つになって、それを味わいたいと、常日頃思っている私にとって、このCDは一つのチャレンジだと思わされた。若い世代の音楽は、その世界を生かせるかと。
しかしどのアーティストも、真摯に富弘氏の詩と同化し、自分の心の歌を鮮やかに表現している。彼らの美しい心と麗しい声が心に沁み入り、様々な楽器のコラボも奥行きと彩りを添えている。何よりも富弘氏を豊かに生かしておられる神様と、若きアーティストたちが信じ賛美している神様……それが太い根っことして一致している。その象徴のように、全員で歌う「愛されている」の最後に、「アーメン」のハーモニーが力強く響く。
聴いた後に、富弘氏の素晴らしいスピリットが若い世代に受け継がれ、花となり、咲き続ける感動がある。世代を超えた素晴らしい詩と音楽の花、神様が咲かせてくださった麗しい、いのちの花だ。

<収録曲/参加アーティスト>1.逢いたい/Rainbow Music Japan 2.木の葉/Migiwa 3. Feel Alive/生きているから/Samuelle 4.ニセアカシア/Rainbow Music Japan 5.小さな花/TAKEO 6.悲しみの意味/大宮香織 7.背中/Migiwa Special Track 8. 愛されている/Migiwa、 Samuelle、 Rainbow Music Japan、大宮香織、TAKEO、鬼無宣寿、竹下静 詩画ポストカード8枚、富弘美術館招待券2枚入り