CD Review ◆ CD評 『EVERYONE』

CD『EVERYONE』
佐藤 主一
ゴスペル音楽院 講師 ギターリスト

生粋のワーシップリーダー

 ジャケットの表紙を開くと”Mission is not ultimate goal of the church. Worship is.”という言葉が目に飛び込んでくる。つまり、「教会にとって最大の目的は宣教ではなく礼拝だ」ということである。

 ここで言う「礼拝」というのは、形式としてのそれではなく、そこに集う人々と神との交わり、人間の能動的な行為のことである。ヒルソング・チャーチがあれほどまでに成長した影には、このスピリットがあったのだろう。私たちは、毎週の教会礼拝をお約束のものとして、ただ何となしに参加していることがないだろうか。

 ルーベン・モーガンの新譜「EVERYONE」は教えてくれる。私たちはまず自ら主の前に進み出で、受けるだけの礼拝ではなく、ささげる礼拝をしていかなくてはならないと。

 サウンドは爽やかなアコースティックギターの響きが印象的。最近のヒルソングチャーチ系のCDには、なかなかなじめないと感じている方でもじっくりと聴き込むことができるだろう。声を張り上げ、シャウトしながらというスタイルの賛美ではない。心の奥底、深い深いところから賛美が、主を礼拝する思いが湧き上がっている、そういう歌声の賛美だ。彼の歌声を目を閉じて聴くとき、私たちの心の深いところが反応する。自然と賛美へ礼拝へ導かれていく。

 誤解を覚悟して言う。ルーベン・モーガンはアーティストではない。ミュージシャンでもない。生粋のワーシップ・リーダーである。本当に混じり気がない。来日した際、コンサートに出かけた方ならそれを肌で感じたはずである。決して自らを主張せず、圧倒的な聖霊の働きの中で会衆を礼拝へと導いていた。

 ワーシップ・リーダー(賛美リーダー)ならば、洩れることなくこのCDを体験することをお勧めする。「海外の教会の賛美はスゴイ」とか、そういうことではなく彼らの礼拝に対するスピリットを共有してほしいと思う。スタイルは違えど、どこの国にいようと主を賛美するスピリットは変わりないからだ。