CD Review ◆ CD評 『世界で唯一の』

「世界で唯一の」
大倉 寧
奥多摩バイブルシャレー プログラムディレクター

次世代のクリスチャン本格歌姫が誕生!

 MIGIWAさんの歌を始めて聴いたのは、三年程前に都内で行われたクリスチャンのコンサートイベントで一緒に出演した時であった。

 彼女の演奏は、今までの日本のクリスチャンミュージシャンからは、感じたことがない「渋い雰囲気」を醸し出していたのがとても印象的であった。それ以来、ライブなどで御一緒することも多く、友達づらをしながら、その成長をも見ることが許されたことは、たいへん光栄なことであったと思わされている。彼女の歌は、その外見のかわいらしさから想像できないような、渋いかっこ良さがある。やっとこの世代からも、本格クリスチャン女性ボーカルが出てきたな! といった感じである。

 そして、彼女の演奏を観て一番感じることは、とても「苦しい青春時代」を過ごしてきたとは思えない「輝き」があることである。それは、彼女が、救いの強い確信の中で賛美の歌を唱い、その喜びの中で生きていることが、歌う姿勢から確かに感じられるからであると言える。

 今まで、その姿が学校やライブハウスなどでの演奏において、多くの人に希望を与えてきたということも聞いている。今回のこの作品や、今後のコンサートにおける彼女の賛美が同じように、苦しみや悲しみを抱える人たちの大きな励ましなることは間違いないと思う。

 アルバムの方は、バラエティーに富んだ作品となっている。伝統的な讃美歌とオリジナルソング、日本語の曲、英語の曲、ジャンルもポップス、ジャズ、ロック、フォーク等、それぞれ、MIGIWAさん独自の世界で見事に歌い上げられている。特に日本のクリスチャン音楽にはあまり関心がないという若い人たちに聴いてみてもらいたい。関心のある人には、もちろん、世代を越えて聴いてもらいたい。この作品の発表を機に、さらに、諸教会やクリスチャンのイベントで歌うことが増えることを期待する反面、どんどん一般の幅広い音楽界(業界)に出て、活躍しつつ、彼女らしい証しをしていってもらいたいと願うものである。