CD Review ◆ CD評 『リフト』

『リフト』
遠藤 一則
国際クリスチャンバプテスト教会 牧師

神への思いを爆発 ワイルドなワーシップ・ライブ

 オーストラリア発のワーシップソングといえば、ヒルソングが有名だが、九十年代前半からシドニーで同じように精力的にワーシップソングを作り続けてきた教会がある。それがクリスチャン・シティ・チャーチ(CCC)だ。

 主任牧師のフィル・プリングル、ワーシップ奏者のジェフ・クラブツリーらが中心となって独特の賛美スタイルを築きあげてきた。ヒルソングがコンテンポラリーでなじみやすく、万人に受け入れられやすいメロディーを用いて礼拝するのに対して、CCCはストリート的、ライブ的な自由奔放さと遊びを用いて礼拝する。そして、ここが人によって好き嫌いのはっきりと分かれるところで、今まで日本ではあまり知られる事がなかった。

 私自身は九十年代前半に彼らの音楽を初めて聞き、熱中したクチである。香港で彼らのワーシップセミナーに参加し、シドニーの教会も訪れ、曲も翻訳し、教会で使った。パンチの効いた歌詞とビートは、日曜朝の礼拝参加者の頭をシャキッとさせ、全員で神への思いを爆発させるためにすばらしいものだった。

 この『LIFT』ではとても聴きやすく、口ずさみやすい曲が多くもりこまれた。シンプルな歌詞とあいまって心を神に向けやすい一枚である。ただ、二曲目のDance、十五曲目の「Lift」などはCCC本来のダイナミックな部分が実感できるので、もしこの二曲が「いいぞ」と思う人はCCCのCDバックナンバーを買い求めてみることをお勧めする。ワイルドなCCCワーシップにはまるかも、だ。

 真骨頂は礼拝そのものである。音楽の質の高さもさることながら、その都度何が起こるかわからない、というワクワク感を感じさせる。そしてワーシップリーダーが意図する霊的流れに、音楽チームが瞬時に対応する。クリスチャンの音楽技術とは最終的にそこで発揮されるのだということを再認識させる。

 このCDを買ったら、ただ聴くだけでなく、体を動かし、ほどよく叫び、神への一人ライブを自分の部屋でやってみることをお勧めしたい。